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STAP騒動その3 [STAP騒動]

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2014年4月25日まとめ
もう手遅れかもしれないが、小保方さんの反論をじっくりと読んでみた。研究不正を指摘した理研の調査報告はうけいれられない、というもの。その反論は弁護士が、小保方さんから聞き取りをして作成したものだろう。裁判にもちこむことまで想定した本格的なものである。さすがに法律家の指摘である。するどい。すこし斜めから見ると面白いところもある。その要旨を抜粋して、表にまとめた。
小保方反論の読みかた
項目
斜めの目
要旨抜粋
申立ての趣旨 研究不正と認定された二項目の再調査と不正の撤回を要望

1 研究論文の疑義に関する調査委員会「研究論文の疑義に関する調査報告書」のうち、調査対象項目(1-2)=STAP細胞を作った証拠となるDNA解析画像の切り張り、(1-5)=STAP細胞の万能性を示す画像が小保方氏の学位(博士)論文関連の画像から流用についての調査結果、評価、まとめについて再調査を行うことを求める。
2 調査対象項目について、研究不正を行っていないとの認定及び報告を求める。

再調査の事項 1) STAP細胞を作った証拠となるDNA解析画像を切り張りしたこと
2) STAP細胞の万能性を示す画像を流用したこと
1 研究論文の疑義に関する調査委員会「研究論文の疑義に関する調査報告書」のうち、調査対象項目(1-2)=STAP細胞を作った証拠となるDNA解析画像の切り張り、(1-5)=STAP細胞の万能性を示す画像が小保方氏の学位(博士)論文関連の画像から流用についての調査結果、評価、まとめについて再調査を行うことを求める。

研究不正の定義 1) 研究に重要なデータや研究結果がある。これをでっちあげるのが捏造
2) この前の段階で資料、試料、機器などを操作して、データや研究結果を変更し、研究の結果をただしくないものにするのが、改竄
3) 他人の考え、文章などをまるで自分のもののように引用をあきらかにせず使用するのが盗用
4) 調査委員会はこの不正を認定するもの。論文の書き方などを問題にするのは趣旨にはんする。

研究者等が研究活動を行う場合における次の各号に掲げる行為をいう。ただし、悪意のない間違い及び意見の相違は含まない。
(1)捏造(ねつぞう) データや研究結果を作り上げ、これを記録または報告すること
(2)改竄(かいざん) 研究資料、試料、機器、過程を操作し、データや研究結果の変更や省略により、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること
(3)盗用 他人の考え、作業内容、研究結果や文章を、適切な引用表記をせずに使用すること
調査委員会は、申立人の行為が本規程2条2項の研究不正にあたるか否かを認定・判断しなければならないことになる。

本報告の認定への反論 不正判断への反論。規程の定義にもとづき不正を認定すべきなのに、別次元の価値判断をしてる。 本規程2条2項の研究不正の要件に該当するかという観点からではなく、定義とは別の次元で研究不正と結論づけるもので、妥当でない。すなわち
(1-2)については、もともと「研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工」する行為態様がなく、改竄が疑われる事案ではなく、論文への掲載方法が適切か否かの問題にすぎないのに、これらを混同して研究不正の認定を行っている点で妥当でない。
(1-5)についても、「存在しないデータや研究結果を作り上げ」る行為態様がなく、捏造が疑われる事案ではなく、論文掲載時点で誤った画像を掲載した問題にすぎないのに、混同して研究不正を認定している点で妥当でない。


調査報告書の内容

これだけみると、理研の認定はずいぶんな見当違いである。まったく問題とならないようだ。そこでこれも、手遅れであるかもしれないが、調査報告書をまた、じっくりとよんでみた。これは大部なものである。概要を下表にまとめる。

報告書の概要
項目
概要
1 経緯 2月13日、論文に疑義があるとの連絡を受ける。職員から役員を通じて監査・コンプライアンス室に相談。室長は規程に基づき予備調査を実施した。予備調査の結果を受け規程に基づき本調査の実施を決定した。
2 内容 2-1 調査目的、調査対象、調査対象者
小保方論文の六項目を調査
2-2 調査対象者の所属等
小保方さん他の所属を記載
2-3 調査方法
2月20日から3月31日まで、資料の収集・精査、関係者のヒアリングを実施、これらに基づき審議した。
2-4 調査結果及び評価(見解) (1-2)Figure 1iの電気泳動像においてレーン3が挿入されているように見える点。
ーー> 改竄と認定(作者注 改ざんという用語をつかってる)
(1-5)Figure 2d, 2eにおいて画像の取り違えがあった点。また、これらの画像が小保方氏の学位論文に掲載された画像と酷似する点。
ーー>捏造と認定(作者注 そのようだが本文に明示されてない)
3 まとめ 二点を研究不正と認定した。このほか、小保方の実験ノートのとり方がずさん。監督者の責任が重大と指摘した。


調査報告書は大部なものである。これをまとめあげたことは、大変なことだったと思うが、科学的な側面の充実にくらべて、法律的側面は不十分である。アラさがしは作者の本意でないが、(1-5)について、調査報告書をチェックしたが、改竄とも捏造とも明示せず、研究不正と認定してるようだ。まことに遺憾といわざるをえない。

疑問

あらためてふりかえって、疑問がわいてくる。何がデータ、研究結果の捏造だろうか、ということである。これは規程でとりあげられている捏造という項目の中心概念である。改竄の規程にも登場してくる。具体的に話す。(1-5)の万能性をしめす画像を捏造したと認定してるようである。ではこの画像がデータなのか。もっとつきつめて考えるとおかしくなる。例え話である。1メートルという長さがデータである、ということがあるだろう。これは何だろうか。けっして、鉄製、セルロイド製、あるいはメートル原器の1メートルをさすものではない。話しをもどす。万能性をしめすマウスがそうか。あるいは蛍光をはっするということか。抽象論をこねくりまわしているようだが、もうすこし我慢してきいてほしい。

画像は何らかのメディアに収納されている。その収納物そのものでなく、そこに記録された情報のあつまりである。それも、jpegとか情報の記録方法によっても変化するものである。実は画像の歪みが不正の認定に関係してきた。(1-1)の調査事項である。メディアそのものはデータではない。ところで、申立てでは、このようなものはデータではないといいたいようだ。何がデータなのかはっきりしてくれ。そうすると、もっとはっきりと反論するぞ。といってるようだ。申立側はもっと具体的なマウスそのもの、研究活動において実際に加工、操作するような具体的なものを想定してるようだ。裁判になれば、規程の中の「データ、研究結果」を明確にした上で、不正を認定したプロセスを説明しなければならない。調査報告書では、不十分である。次に強い違和感をかんじた点についてのべる。

経緯のところで調査報告書は、2月13日に外部の人間から論文に疑義があるとの連絡を受けた。職員から、役員を通じて監査・コンプライアンス室に相談した。室長はこれを踏まえ規程にもとづく予備調査を実施し云々とある。まるで緊迫した映画の一場面のようである。しかし、この疑義については、1月末に小保方論文がおおきくとりあげられてから、たちまちネット上で疑問がだされた。疑義があるとされた2月中旬では周知の事実でなかったか。にもかかわらず、このような表現をあえてする理由は何だろうか。これが強い違和感をかんじた点であった。そもそも小保方さんは、ネイチャーに論文を公表した。その時から世界中の研究者の厳しい批判にさらされることは充分承知してたはずである。むしろ、おかしなところがあったら、堂々と批判してくれという、覚悟があったにちがいない。何故理研は外部の垂れ込み情報に頼って調査を開始したのだろうか。小保方さんは犯罪者ではない。このような規程などに頼らず堂々と本人にきけばよい。何故この規程にもとづかなければならないのか。ここにも強い違和感がある。これはもう一つの疑問につながる。

規程は次の目的のためにさだめられた、とある。

研究不正を
1) 防止し、及び
2) 研究不正が行われ、又はその恐れがあるときに、迅速かつ適正に対応するために
必要な事項をさだめるとある。

ここでは、研究不正がおきてしまった時のためにさだめたといってない。つまり、研究不正を防止するか、あるいは、それが現在進行していたり、そのおそれがある時である。小保方論文の対象となる研究活動は2011年から2013年4月までである。2月の時点ではとっくに終了してる。ここで思いだしたが、石器を捏造して日本の歴史を改竄した人がいた。これが発覚したのは疑問をもってた新聞記者が捏造の石器をこっそりと埋めている現場をつかんだからである。研究不正は、まさしく研究活動がおこなわれている時に摘発すべきものだろう。実際にこの時期をのがして、不正を摘発することができるのか。STAP細胞あるなしの究明がやっとはじまったばかりの段階で、そのあるなしの問題を放置して、小保方さんの研究不正を断罪した理研の姿勢はどう考えてもおかしいと、思う。

結論

研究不正と認定されては小保方さんの将来はない。この争いは、どこまでもつづく。またスキャンダルもとびだすだろう。これではSTAP細胞の研究が停滞する。理研は小保方さんと和解(調査報告を撤回)して、無用な混乱を収拾する方がよい。

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