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トランプ大統領、地球をひやすか [脱原発]

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* はじめに
米国のトランプ大統領がついに地球温暖化のパリ協定から離脱すると発表した。この協定が米国に不利にはたらいてる。温室効果ガス削減の取り組みが米国経済の足かせとなってるとの持論を展開したという。さて私はついにきた。政権内部でも対立があった。しかしやはり選挙公約の重みがきいてきたかとおもった。

トランプ大統領の主張はけっして科学的根拠を無視したものでない。人類のながい歴史で地球の気温は十度程度の上下があった。人類の活動がこの変化に影響をあたえるとの主張には科学者のなかにも疑問視する人がいる。温暖化効果ガスといいつつも、結局は二酸化炭素。その削減は石油の削減と限定される。さんざん先進国が消費しておいて途上国がほしいと言いだしたら、制限する。政治的動きだとの指摘もある。客観的データがほしい。

従来の気温計は陸上の都市におかれてる。当然都市化の影響をうける。さらに地球の大半をしめる海域の気温は反映しない。ところが人工衛星から赤外線を利用し海をふくむ地球全域の気温を測定できる。近年、そのデータの蓄積も充分なものとなった。私はブログでこれが二十一世紀にはいり上昇がやみ変化がない。もしかしたら低下にむかってるかもといった。だから地球温暖化を心配するのもよいが寒冷化も心配。寒冷化で植物の生産性が低下、食糧問題の悪化も心配してほしいといった。トランプ大統領もたしか別のデータがあるといってた。それはこのこととおもう。

(https://crudata.uea.ac.uk/cru/data/temperature/CRUTEM4.pdf。これでうまつリンク先にとべないかもしれない。その場合、面倒だが次のようにしてほしい。
一、グーグルで、「eastanglia's university cru」と入力
二、でてきたページにある「Data - Climatic Research Unit - UEA」をクリック
三、でてくるページにある「Main webpage for the temperature datasets」をクリック。すると目的の図表があらわれるはず。もう一度クリックすると拡大され見やすくなる)

ここの図表をみておどろいた。たしかに二〇〇〇年か二〇一一年頃の傾向は上昇の停止、もしかすると低下にてんじたとみえる。だがそれ以降はまた上昇にてんじてる。さて結論である。

* 結論
トランプ大統領の決断は米国にとって不利だからというものだが、ここにいたるにつき政権内部でも論爭があった。この決定によりおおきな論爭がうまれるはずである。気候変動のような複雑な事象である。世界第二位の二酸化炭素排出国である米国がちがった立場からこの論爭に参加する。おおくの興味ぶかい事実があきらかとなると期待してる。

ホルクス・ワーゲン、ガソリン車まで不正 [脱原発]


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* はじめに
ユーチューブで経済評論家常念司氏がするどい指摘をしてた。以下はその概要である。

* ドイツ政府が公表、ひろがる不正
ホルクス・ワーゲンが窒素酸化物だけでなく二酸化炭素でも不正をおこなってたとドイツ政府が発表。9万8千台のガソリン車がふくまれるとみとめた。

不正の広がりがひどい。窒素酸化物から二酸化炭素、ディーゼル車からガソリン車、ホルクス・ワーゲンからアウディ、ポルシェまで。環境大国と自負、クリーンディーゼルだ。皮肉だがすごい技術力。不正にかける情熱がすごい。パリの大気汚染もペキンのもこれが原因か。ホルクス・ワーゲン本体への影響が心配。国有化もある大変な状況だ。ドイツの新聞がこれをアメリカの陰謀、トヨタが最大の受益者。日米陰謀論が登場。自らを反省する姿勢がとぼしい。ここで常念さんの指摘がするどい。

環境などですぐ原理主義にはしる。かんがえてることに実際がついてこない。ここでズルをする。

まったく同感、よくいってくれました。というところで、次は私の推測と結論である。

* メモリ上で違法性を確認したか
違法ソフトを確認したという。どのようにか、報道ではさだかでない。私の勉強したコンピュータの知識でいう。メモリ上に違法ソフトがあるといっても、それは32ビット程度を単位とした情報の塊にすぎない。人間がわかるようにしたとして、16進数の数字の羅列。そこからどのようなプログラムがかかれてたか、識別するのはほとんど不可能である。

だから当局がホルクス・ワーゲンの技術者を問いつめて白状させた。報道からそう判断せざるを得ない。つまり様々な客観的証拠をつきつけて、例えば試験時と実走時のあまりにひどい値の差などから、追いこんだのだろう。このことは、最初の不正も然り、今回のも然りである。このあたりからだんだん私の推理がはいってくる。

40倍の値の違いがあったから、あるいは今回の相当の値の差があったからホルクス・ワーゲンもみとめざるを得なかった。繰りかえすが、メモリ上の情報から当局が違法プログラムを検知して不正の証拠をにぎったわけであるまい。また推測がつづく。

* 他のメーカーも不正を
かりに不正ソフトを搭載してても、実走時の値がそれほどちがってなければ、メーカーは強気にでて、存在を頑強に否定する。かりに当局が不正でないものと、不正のソフトのメモリ上の情報量の差、当然不正のほうが情報量がおおきくなる。それだけで不正の証拠とするのはむずかしい。といって、人間がよめるプログラムの形に復元させるのは、不可能といえないが、むずかしい。そこで私の推論の結論である。

他のメーカーの実走時の違いが問題となってた。ディーゼルのすべてに不正があった。かくしきれないもののみが、不正をみとめた。日本のトヨタにせよ、マツダにせよ競争相手の手の内は充分に認識してた。つまり疑いの目でみてた。

* 困難に直面して環境至上主義にはしる
環境至上主義にはしったドイツがクリーンディーゼルなどと口ばしって不正にはしった。私はドイツの原発事情をしってこの環境至上主義をかんじた。風力や太陽光で必要エネルギーをまかなうのはあり得ない。冷静になれば今でもその破綻性がわかってる。それなのに政治の勢いでとまらない。真面目に取りくんでることはみとめるが、その将来につよい不安をかんじる。で、結論である。

* 結論
私はエネルギー問題で日本人は漸進主義を選択したといった。ドイツの真面目さはいいかえれば、無茶な理想に猪突猛進してる姿だ。もうすこし冷静になったほうがよい。今、ドイツの経済状態はあやうい領域にある。そんな余裕はないとおもう。

COP21からどっちにゆく [脱原発]

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* パリで12月に開催
この12月に地球温暖化対策を話しあう国連の会議、COP21が開催された。同時多発テロでゆれるパリに厳戒態勢のもと世界の首脳があつまった。これまで先進国のみに義務をかしていたが、途上国をふくむ世界が温暖化ガスの取りくむという内容だった。ただし、削減は各国が提出した目標にむかって削減に努力し、それを5年ごとに見なおすというものとなった。

これを、全世界が一緒になって削減に努力する。画期的と評価する声がある。さてわたしの感想である。

* 感想
** 寒冷化は一言も、当然か
寒冷化については一言もいってない。当然のことか。しかし、メソポタミア文明、インダス文明、エジプト文明の発生が地球寒冷化によって引きおこされたと主張する本(安田喜憲氏の著書)をよんだ、わたしには違和感がのこった。

** 気象庁が最高の気温上昇と、本当か、あのデータは
日本の気象庁が今年の気温上昇は最高だたったと発表した。すこし、おどろいた。そこで、人工衛星で地球を全球観測したデータによる気温をみる。英国 Met Officeの最新のグラフをのぞいた(Met Office Hadley Centre observations datasets)。状況はかわってない。つまり、21世紀にはいり、気温上昇はとまってるか、下降気味だということ。これは、石井彰氏が著書でいってる(blog、15/8/5)。

** 日本も26%削減と
日本は26%の温暖化ガスの削減を公表してる。化石燃料の無駄遣いは反対である。しかし効率、経済性を無視されてはこまるなあ、という感じである。

** ここ10年で暖化、寒冷化の見極めがつきそう、もし寒冷化ならどうなる
ここ10年で温暖化、寒冷化の見極めがつきそうである。だったら、もし寒冷化ならどうなるか、考える。

1) 途上国は化石燃料を贅沢に消費した先進国をせめ、援助を要求してる。しかしその根拠が消滅する。とはいっても途上国援助は世界の安定と繁栄に今後も必要だろう。
2) 温暖化問題の背景に石油資源の枯渇がある。EUやドイツの過剰なまでの環境意識はこれによるとおもう。だが米国がシェールオイル輸出をきめる。世界経済の鈍化が石油価格を押しさげる。かぎられた石油をめぐって途上国、先進国があらそうような事態は当面ない。
3) これが一番おおきな問題のようにおもうが、肥大化した現代文明にたいする不安がある。飢えや寒さにふるえた人類が化石燃料の上にきづかれた文明で繁栄してる。これがこのままつづかない。どこかで破綻する。この不安感がある。これを市民運動家やマスコミが見のがすはずがない。だから温暖化をめぐる大騒ぎつづく。だが今度は寒冷化である。外に飛びだし乾布摩擦で体をきたえる。これでは大勢の共感はえられない。やはり、あたたかな文明に寄りそう。わたしの子どものころ、冬、手足の霜焼けや、あかぎれにくるしんだ。毎日、あたかい風呂にはいれる文明がますますありがたくなる。

* 結論は
寒冷化がすすむ。と、食料危機。この問題がかならず浮上する。温暖化の時におきた馬鹿騒ぎはやめて、じっくりと腰をすえて考えてもらいたい。

VWガスのひろがり [脱原発]

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* はじめに
ドイツの自動車メーカーフォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車に不正があった。米国の環境保護庁(EPA)が発表したのが、この9月だった。大騒ぎとなった。関係する車が1100万台。米国による罰金が最大2兆円という。騒ぎが波及する。今回の一般向から高級車、アウディなどの大型車。他社のメルセデスベンツ、BMWなど。今回のような不正ソフトを駆使した不正にくわえ、試験時と実走時の差のちがいの問題もあいまって、日本のマツダもひっぱりだされた。それだけでなくCO2の基準違反もとびだした。

* クリーンディーゼル
ディーゼルエンジンは点火プラグのないガソリンエンジンより簡単の構造。経由など低廉な燃料によりうごくなどから、欧州ではシェアの半分がディーゼルという普及である。しかし大気汚染の原因である窒素化合物(Nox)の排出低減が過大であった。VWはクリーンディーゼルをうたち文句に、今年トヨタをぬいて世界一の売上を達成する勢いであった。その無理があったのかもしれない。不正である。

* 不正の仕組み
VWは触媒、尿素をふきつけるなどしてNoxの低減をはかる。ところがこれは燃費、走行性能の悪影響がある。そこで導入したのがソフトウェアである。台上の試験ではNox低減機能をはたらかせてクリアする。実際の走行時にはこの機能を停止して燃費、走行性能を確保する。このソフトは、ハンドルの動き、加速度などを検知して、試験時か実走時かを判断するという。これはまったくの捏造である。真面目すぎるほど真面目というドイツのイメージを完全にくつがえすものだった。

* うたい文句への不信
クリーンをうたいながら消費者をだました。ディーゼル車への不信のみならず、同社への不信である。ドイツの自動車産業へにも波及する。さらに、トヨタが2013年にEUに警告をだしてたという。これはディーゼル製作の実績から、VWの性能はあり得ないという疑いから。また、民間団体も指摘していた。しかしEUがうけつけなかったという。これには噂がくわわる。欧州はきびしい基準をしいることで日本車の排除をねらった。ところが身内にはあまかった。VWの騒ぎを報道するドイツではトヨタが大喜びとコメントされた。米国でなかなかうれないディーゼル車の販売をあせったVWに米国がくわえた反撃だという。さらにここにきてCO2の不正が問題となった。これは実走時の値がカタログでしめされた値よりたかいデータがでたもの。CO2は地球温暖化の主役である。

* CO2もあやしい、環境もあやしい
この削減はドイツ政府、欧州が環境製作の柱としてる。不信感は自己増殖する。ドイツの環境政策、EUの環境政策は大丈夫か、本物か。ドイツは環境先進国とうたってる。これについては、わたしのblog(2015.3.15)でその危うさをのべた。パリできびしい排気ガスの基準にもかかわらずスモッグが問題となってると報道された。

この4日に米国のNASAが南極の失しなわれる冰より増える冰のほうがおおい。その結果、南極の冰は増えてるという研究結果があきらかとなった。海面上昇で国がなくなるとさわいでるツバルなど南太平洋の諸国の主張もあやしくなる。ところが今月、パリでCO2削減の枠組みを検討するCOP21が開催される。

* 結論
妄想をいたずらに、ふくらませても仕方ない。まずVWが一刻もはやく真相を発表することをまつ。その頃には欧州の環境政策の実相ももっとはっきりとわかるだろう。

地球寒冷化対策もぬかりなく [脱原発]

* はじめに
政府はこの23日に、地球温暖化の被害を最小化する国家戦略「適応計画」案を公表した。これは、温暖化による豪雨の被害をふせぐインフラの整備、高温につよい農作物の開発などをふくむもの。きたる11月末、パリで開催されるCOP21(第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議)に報告されるという。YoutubeでWWFという団体がこの会議についてアップロードしてた。その話しである。

* COP21は地球の運命をきめる
そこで主催者側の人物が説明にたつ。この年末で地球の運命がきまる。このパリ会議のことらしい。これまでの動きをふまえ、これからの方針を説明してくれる。

1) 1992年、条約が締結。そこで危険な気候変動をふせぐことが合意。
2) 1997年、京都議定書で2012年までに温暖化効果ガスの5%削減という目標を合意。
3) 2013年以降の期間につき2009年のコペンハーゲンで合意をめざした。だが失敗。各国の自主目標の設定にとどまった。
4) 2020年以降について、きたるパリ会議で国際合意を目指す。
従ってこれで地球の運命がきまる、ということらしい。

* いわゆる「温暖化詐欺」について
立場がかわれば、いうことがちがう。成程と思ったが、またYoutubeで地球温暖化詐欺という動画をみつけた。その内容である。これは、たしか2009年にBBCで制作されたようだ。

1) CO2が地球温暖化の原因という証拠はない。科学的明確さをおきざりにして、まるで宗教運動のようになってる。
2) 世界の科学者が同意しているというが、事実でない。ここには当初関与してたが、そこからはなれた人が登場し、自分の名前がのこることを拒否。だが先方が了承せず、訴訟も辞さないとまでいいって、やっと名前が削除されたという。
3) 冷戦が終了し行き場をうしなった社会運動家たちが環境問題に参集。これが運動家のみならず、研究費を必要とする研究者、政府の補助金を利用しエコ商品をうりたい企業、中央・地方政府をまきこんだ巨大ビジネスとなってる。
4) 開発途上国は国民生活の向上にともない、石油などの化石燃料の使用が増大せざるを得ない。削減目標は発展を阻害する。すでに発展をとげた先進国のつけを途上国におしつけるとの反発の原因となってる。

鮮明な主張で世論にうったえる欧米流のよさと、あざとさを感じる。すこし補足する。
1) よくでるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は科学者の集まり。地球温暖化について科学的知見を提供するもので、COPとは別である。
2) 温暖化効果ガスにはCO2のみならず水蒸気、メタンなどがあるが、CO2が問題としてる。CO2の発生は結局、化石燃料の消費である。CO2を削減することは経済活動の制約に直結する。

* 結論
地球温暖化をICPPは科学的に追及しCOPはその対策を追及する。ところで「温暖化」といいならわしてるが、その名称からわかるようにICPPもCOPも気候変動を対象にしてる。21世紀にはいって、つまり2001年以降では、地球の平均気温はblogでのべたように、上昇をやめ、やや寒冷化の傾向がある。つまり地球寒冷化は無視できない問題となった。

1) ICPPは温暖化とともに寒冷化についても科学的知見をあつめるべき、
2) COPは温暖化対策とともに寒冷化対策を検討にいれるべき、
である。

コペルニクスの地動説もみとめられるに100年かかったそうだ。この問題に決着がつくのはまだ時間が必要だろう。寒冷化は農作物の生産性を間違いなく低下させ、食料危機をひきおこす危険な気候変動である。どうか手遅れにならないように対策を提案してほしい。

地球温暖化、本当か [脱原発]

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* 1) はじめに
暑い日がつづく。こんな日には部屋の中でも熱中症になるらしい。とすると地球温暖化だと思ってしまう。無理もない。ところで前回のブログでお約束のとおりこのことについて、のべる。

* 2) 温暖化は本当か
前回(2015/7/23)のブログで紹介の著者、 石井彰氏がいう。近年は人工衛星から赤外線により地球の平均気温を測定できる。このデータが蓄積された。これによれば、それまで上昇していた気温が21世紀にはいって上昇をとめた。ここ10年間は一定かむしろ低下気味である。つまり10年以上地球温暖化はみとめられないという。これには補足説明が必要となる。

ヒートアイランド現象と区別する必要がある。都市化がすすむ。緑が減少する。このような環境では気温が上昇する。東京の気温は気象庁がある大手町の気温である。ちかくには緑ゆたかな皇居、それに付設された北の丸公園がある。ここの気温は、2から3度ひくい。しかし東京の気温は都市化のすすんだ大手町の気温である。ところが人工衛星が測定した気温は海、陸、都市、田舎をくぎり、そこを平均したもの。これを全地球の表面に適用。つまりヒートアイランド現象の影響がうすめられたものである。こちらこそ地球の気温である。

* 3) CO2濃度と相関しないらしい
ところでCO2の大気中濃度である。これは着実に上昇してる。だが、上述のとおりここ10年ほどは気温が上昇してない。CO2が温暖化の原因とする考えがただしいのか、という疑問がうまれる。もっとも10年程度の短期間で結論をだすのは時期尚早ともいえる。1997年に宇宙物理学者のスべンスマルクが発表した考えがある。

* 4) 地球温暖化は銀河宇宙線の影響という新理論
太陽系には太陽系以外から宇宙線(銀河宇宙線というらしい)がやってくる。これが地球にやってくる量は太陽磁気活動と相関する。活発なら磁気にはねかえされ、ほとんど到達しない。よわければ到達する量がおおくなる。これが地球大気の雲の生成に影響する。この影響により温暖化あるいは寒冷化がすすむというもの。そのメカニズムである。

銀河宇宙線は大気を構成する窒素や酸素の分子と衝突する。するとその電子をはじきとばしてイオン化させる。この分子を核として周囲の水蒸気が凝縮しはじめる。それが雲を形成する。この多寡が寒冷化、温暖化をもたらす。岩石表面から過去の銀河宇宙線の多寡をしることができる。これと長期的気温の変化をみると統計的に完璧に一致した。20世紀にはいって銀河宇宙線と気温の相関も非常にたかい。2000年以降は太陽磁気の活動の傾向から寒冷化の可能性がたかい。筆者はこの理論の正しさは将来、実証されると信じてるようだ。さらに傍証も紹介してる。惑星科学者、天文学者がいう。海王星や木星の大気にもおなじ現象がある。地球と同期して温暖化、その停止があることがわかったという。ここからお約束のスキャンダラスな話しである。

* 5) スキャンダルめく話し
筆者はいう。CO2による地球温暖化説はスーパーコンピュータによる地球大気のシミュレーションを専門とする気象学者の間で通説化、いや絶対化してる。彼らが主体となって国連が主導する気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がそのような結論をだしている。これが各国政府にCO2削減義務がかされた根拠となってる。筆者はこれについて当初から懐疑的意見があり、近年本来なら賛同してもよさそうな原子力分野の専門家にも懐疑がひろがってることをのべる。ここからが話しの肝である。

地球温暖化がクローズアップされたのは1992年のリオデジャネイロの地球環境会議であった。その6年前にはチェルノブイリの原発事故、さらにその前にはスリーマイル島の原発事故があった。これにより原発業界は壊滅的影響をうけた。ここに疑いの目がむけられる。特に米国の原発業界がCO2を原因とする理論を提唱する専門家の議論をみのがさなかった。こうして会議が開催された。両者の関係を示唆する情報が多数あったという。原発は発電時にCO2を発生させない。瀕死の状態にあった原発をよみがえらす考えとびっついたとしても無理はない。筆者の立場は公平である。正当な働きかけはある。この動きは倫理的には何ら非難すべきものでない。政治的謀略とみなさないという。しかし、環境問題、人類の未来を左右するような問題が、政治的思惑もあり地球温暖化問題にかたよったと批判してる。

* 6) 感想
わたしの感想である。CO2説は原発復活の動きというより再生可能エネルギーにむかったようだ。当初の思惑は失敗におわったものかもしれない。IPCCの議論については、削減量を各国に割り当て、それを各国間で取引できるといった仕組みができた。政治的動きがめだった。学術的議論の検証が充分でないとの不満があることもきこえてきた。日本は伝統的にエコである。欧米のような贅沢なエネルギー消費はやってない。省エネにてっした工場の稼動など、その技術は世界最高の水準である。十把ひとからげに論じられてるのではないか。そもそもCO2発生量をどの程度検証してるのか。適当にサンプルをとり、そこからデータ、それも欧米中心のものをもとに推定してるのでないか。などと感じていた。なので、筆者の指摘はまことに同感である。

* 7) 結論
結論である。CO2濃度の上昇は確認されてる。これは海の酸性化にわるいそうである。化石燃料においても技術革新により発生量を減少させることが可能という。地球温暖化問題とは別に長期的に、あるいはおおくのエネルギーの種類を最適に利用するとの考えで対処すべきだろう。人類が発生させるCO2がわたしたちの生活にどう影響するか、ゆっくりと見てみたい。

再生可能エネルギーの破滅 [脱原発]


* 1) エネルギー構成の長期見通し
ちょっと地味な話しだが、この16日に発表された日本のエネルギーの長期見通しについてのべる。これで、原子力については20%から22%に、再生可能エネルギーについては22%から24%とした。これはそれまで30%もあった原子力をへらし、再生可能エネルギーを倍増させるものである。東日本大震災から原子力に逆風がふいた。環境にやさしいといわれる再生可能エネルギーの推進に拍車がかかった。次々と原子力発電所が休止においこまれ、やっと最近にたしか川内原発が再開にむけてうごきだした。

この見通しは、一時まるで原発全廃につきすすみそうだった。選挙により復活した自民党政権が国民の総意をうけ、方向を修正した。この見通しは、わたしがblogでいった、漸進主義でこのエネルギー問題にとりくむ。この姿勢は、一応、妥当と思う。

* 2) 本の紹介
「木材、石炭、シェールガス、文明史が語るエネルギーの未来」という本にであった。わたしは反原発の動きの中でかたられる再生可能エネルギーの夢に危うさを感じてた。たとえば、大規模な風力発電は、風の流れをなくす。流れを大幅に変更することになる。ならばそれは完全な自然破壊、環境破壊となる。現在、夢としてかたられる。それは補助的な位置にあり、初期の段階にあるから。本格的段階に移行すれば弊害も本格化し、夢が悪夢にかわるかも、と思う。それを本格的に論じないまま、夢だけが独り歩きしてると感じた。さて本の内容である。

木材、石炭、シェールガス 文明史が語るエネルギーの未来 (PHP新書)

木材、石炭、シェールガス 文明史が語るエネルギーの未来 (PHP新書)

  • 作者: 石井 彰
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2014/04/16
  • メディア: 新書




* 3) 産業革命前の自然破壊
19世紀、英国において石炭というエネルギー源の利用により産業革命が推進された。歴史の教科書にある。問題は産業革命がはじまる、その前の自然である。経済が発展し、その活動に必要なエネルギーが不足、むしろ枯渇してきた。そこに圧倒的に効率のよい化石燃料の石炭が発見されて産業革命が推進された。薪、炭の火力、風車、水車の動力の従来型の利用は限界になってた。英国の森林はほとんど完全に伐採され、荒地となる危険にさらされてたという。この事情は日本においても同じである。

ほぼ同時期の日本でも必要なエネルギー源の確保のため、江戸周辺の山は禿山となった。山頂に松が一本といった風景が浮世絵にある。松茸が松林にはえる。伐採により疎林となった環境が松茸の適地である。この本の指摘で思いだした。戦後まもないころ、よく父親が酒のさかなにしてた。松茸はそれほどの高級食材でなかった。現在の高級ぶりにはあきれるほどだ。さて、このような状況は、歴史をさかのぼると、最古の文明とみとめられているメソポタミアや、インドのモヘンジョダロにもあった。森林にかこまれ、そこからのエネルギーを利用してた文明が繁栄した。ところが森林伐採がすすみ砂漠化した環境により維持できなくなった。これが文明史がおしえる教訓である。産業革命によりあたらしい段階にはいった文明は石炭という化石燃料にささえられた。その後、石油、天然ガス、原子力といったエネルギー源により現在にいたる

* 4) 地球温暖化とCO2濃度
ところが地球温暖化という問題が指摘され、それがCO2の大気中濃度の上昇という現象とむすびついた。そこでCO2を排出しない、風力、水力、薪炭(これは樹木として成長する際にCO2を吸収し、それをもやす時に発生するものも、差引すれば発生しないと考えてよいらしい)やバイオマスに注目があつまった。その利用がさかんにさけばれる。ところがこの本の著者は、たとえば現在の欧州が必要とするエネルギーは、産業革命以前に必要としたエネルギーの100倍から50倍になる。すると再生可能エネルギーでまかなうのは不可能、あるいは甚大な環境破壊、生態系破壊につながる。従って、地球温暖化の問題にとりくむには、このエネルギーにたいする過大な期待をすて、石炭、石油、天然ガス、再生可能エネルギーの最適な利用によるべきというのが結論のようだ。

わたしはこの結論に納得できるが、それより大規模な再生可能エネルギーの利用が自然破壊、生態系破壊につながるという指摘に、まさに目から鱗がおちる感じがした。太陽光発電について大規模にすすめられると、植物が享受してた日光をうばう。生態系に深刻な打撃をあたえる。また、太陽光パネルは70度の高温になる。それにより現在の東京都市部でおきてるヒートアイランド現象がおきる。具体的な問題点の指摘に納得した。ところで冒頭で地味といったが、あれはドイツのメルケル首相のことが念頭にあった。

* 5) 結論
今、世界中をさわがせてるギリシャ問題の一方の立役者であるメルケル首相は原発廃止に一路邁進してる。すでに破綻すら感じさせる(わたしのblog、14/05/12を参照)。これでもまだ頑張るのかと思う。

さて、スキャンダル好きなわたしにとってこの本は面白い話題を提供してくれる。それは、地球温暖化とCO2の大気中濃度の上昇についてである。これは次回のblogでとりあげる。

原油安と世界 [脱原発]

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* 1) グラフをみて
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http://ecodb.net/から引用
原発の話しなのだがすこし横道にそれる。このグラフを見てほしい。2013年に、1バレルあたり100$をこえたものが、2015年には50$と急落した。二十一世紀の石油ショックといわれてる。ところが1990年代は、ほぼ20$の水準を維持し、2000年代にはいって急激に上昇していいった。現在の水準は低い水準の二倍である。

* 2) 戦争、紛争、テロ、狂と合理性
わたしは、この急変があったことをほとんど感じてなかった。それは当時、異常な円高であったので、ただちに国内の石油価格につながらなかったからだろう。知らない間に何がおきてたのか、不思議な気がする。さて、戦争のことである。

戦争には、戦い、紛争、テロ、それにともなう悲惨な犠牲といった狂的側面がある。他方、それと反対のきわめて合理的な側面がある。それは金、金もうけである。原油価格の上昇がつづいた'00年代の富という金はどこへながれたのだろう。

* 3) 独の選択
** 1) ドイツは政策を転換、原発廃止を推進
ドイツの現政権は原発廃止をすすめてる。これは2011年の東日本大震災における福島原発の惨状から政策を転換したものである。実はこの政策はかって行なわれ、不調のもと変更され今回にいわば復活したものである。日本においてもこれに呼応するように原発廃止の気運がたかまった。それは、ほとんどドイツにならうものと思う。しかし、安倍政権の登場により、現在は漸進主義で原発依存をへらすというのが国民の総意である。わたしにとってもドイツの原理主義のような政策転換は面白いと感じる。日本の運動がとかくみせる「歌って踊って反原発」という傾向と好対照な合理的側面がある。

** 2) 国民が痛みを引きうけて政策をすすめてる
前回の政策転換の原因に、代替エネルギーの確保が困難、コスト高からくる企業の国際競争力の低下があった。今回には多様な代替エネルギーの確報、企業の優遇措置という政策がふくまれている。しかしこれにたいする批判の声が根づよくある。

需要に即応して送電し、ただちに消費されるという電気の性質から安定した電力の確保無しでは電力供給が困難。太陽光発電のように自然条件に左右される方法では、供給側の事情で一方的に送電される。そのため無理に電力を安値で他国に売るという無駄がでる。現在の技術革新はこれをおぎなうほどでない。安い企業向電力は、高い電気料金として国民負担となってる。安定電力の供給はどうしてるのか。

結局、ロシアの液化ガスによる火力発電によってる。ここにはスキャンダラスな側面がある。前政権の幹部がこの液化ガス供給企業に天下りしてるという指摘がある。しかし、ドイツでは国民(一般の国民)の負担の増加という痛みのともなう政策を選択したと思う。環境主義を原理とする政策にはかってのナティズムに似た怖さを感じるのであるが、もうすこし冷静な判断があるようだ。その潔ぎよさには敬意をはらう。政治にはもっと複雑な事情があるのだろう。

** 3) ロシア依存のエネルギーの安定供給はあやうくなった
2014年3月、ロシアがクリミアを併合した。欧州は反発し経済制裁にでた。その時、ドイツのメルケル首相は建設的な関係をもとめるという宥和的な発言をした。不思議な発言だった。ロシアの領土的野心が露骨になったウクライナ東部において、同年7月、マレーシア機の墜落、300人弱のオランダ人が死亡した。撃墜はロシア勢力によると信じられてる。これにより欧州、米国が強行な経済制裁をおこなった。わたしはこの時、欧州がエネルギーをロシアにおおきく依存していることを知った。宥和的発言も納得できた。

しかし第三次世界大戦の引き金にもなりかねないロシアの暴挙に欧州は深刻な反省をしいられることとなったようだ。エネルギー消費のたしか30%がロシアからという。だからこの30%の削減を検討してるとの記事を見た。ドイツのエネルギー政策の根本的変更をしいられる事態である。反原発政策はどうなるのかと気になるが、依然そのままのようだ。

* 4) ロシアの野心
** 1) クリミア編入の誤り、ここ二年でロシア経済は疲弊か
2014年12月に対ドルでルーブルが20%下落、年初来からの下落率は50%超となった。デフォルト(債務不履行)に追い込まれた1998年の再来が懸念された。これには欧米各国による経済制裁と石油収入におおきく依存する国家財政への不安がある。7月以来、強硬に転じた経済制裁がきいてきた。プーチン大統領はこれから二年ほどは経済困難があると予想している。市民はドルの購入や、物価上昇をみこんで高級家具の購入など生活防衛の動きが報道された。ところでロシア人は困窮にたえるという。わたしの印象論である。

** 2) ロシア人には伝統的発想がある、らしい
英語でYoutubeを視聴してたら、蒙古(あるいは匈奴)に攻撃されたロシアの都市国家が登場した。わたしの貧弱な英語から推測と印象しかないが、厳寒の雪原がうつしだされ、荘重というか陰鬱な解説がお経のようにつづく。要するに、籠城し孤立し市民が虐殺されるのである。そんなところを、寒々とし た画面を背景に解説する。ロシア版平家物語かと思った。

蒙古帝国の軍隊に包囲されて籠城した市民が虐殺されるのである。わたしは、じゃあ他の都市国家に援助をもとめて協力して対抗すればいいのにと思った。特にロシアがよわいとは思えない。ある場面では戦果をあげ撃退してる。どんな大軍であったとしても遠征軍である。異国の地で背後をつかれたら、戦意喪失する。勝てなくとも負けるはずがない。こんなゲームをやってたら当然の戦略だ。こう思うのだが、一つはロシア人は、ひたすら運命に耐えしのぶのがすき(ナポレオンの遠征に耐えた歴史もある)。二つにはロシア人はほっておけば必ずバラバラになるとの諦観がある。個性を主張し、時に闘い時に連合して共通の敵にたちむかうより、強権的に帝国を形成する。こんな心性が根づいてるのか、という印象をもった。プーチン大統領は経済的困難にもかかわらず90%をこえる支持をえてるそうだ。

** 3) 帝国主義の復活が国民の利益となるか
最近、大統領は前言を変更し、綿密な事前準備のもとクリミアを併合したことをあきらかにした。こんな十九世紀的政略は二十一世紀にそぐわないと思うのだが、国民の人気をうしなわない。むしろさらに人気がたかまるとふんでの発言だろう。わたしはロシアが1991年の発足から1998年の国家財政破綻、現在にいたる中で、高騰する原油価格の恩恵で国家を運営、国民生活を犠牲にしつつも軍事大国を維持してきたことを知った。中産階級の発展により国民経済の健全な発展をはかり、欧米に対抗する大国の道をあゆめばよいと思ってたが、そんな遠い夢より先祖返りのロシア帝国の復活を夢みる国民の心性にたよった国家運営をはかっていることを知って、正直、ガッカリした。

* 5) サウジと米国
** 1) 両国が手をむすんで原油安をしかけた、とか
サウジと米国の関係には根づよい噂がある。両国が手をにぎって原油安をしかけたというものだ。2014年11月にオペックの総会があった。そこで価格の下落をふせぐ減産をおこなわないという決定がなされた。この前に米国の国務長官がサウジを訪問したと記憶してるが、今回、記事をチェックしたがみつからなかった。何故こんな噂がささやかれるのか、その事情は複雑である。

** 2) 互いの損得は必ずしも同じでないが妥協点があった、らしい
1) 高騰する原油価格を背景に、米国において、ここ三年でシェルオイルの開発が急速にすすんだ。結果、日産900万バレルの輸入を必要としていたのが、輸出余力すらもつようになった。ただし、原油価格が50$/バレルよりさがると採算がとれなくなるという。
2) サウジは、石油を世界戦略の要として、価格を操作できる調整力をできるだけ長く保持したいと考えてる。米国はオペックの非加盟国である。米国が輸出国にかわれば、サウジは現在の力をうしなう。低い原油価格によりシェールオイルの台頭おさえたい。
3) 宗派がちがうサウジとイランの関係、シリア、イスラム国など複雑な政治情勢がある。これが両国に妥協の余地をあたえる。さらにロシアも石油輸出国であり、オペックをおびやかす存在である。

サウジと米国が50$/バレルで手をにぎり、お互いの立場を尊重して妥協をはかった。これが噂の肝である。ところでオペック加盟国にベネズエラがある。その話しである。

* 6) ベネズエラとキューバ、米国の世界戦略
ベネズエラは有力な石油輸出国である。前大統領に引きつづき現大統領も反米姿勢を維持してる。中南米には米国にとって目の上のタンコブのような存在、キューバがいる。ベネズエラが相当援助してたらしい。ところがその余力がなくなってきた頃、キューバが米国との国交樹立をうちあげた。これにベネズエラがおどろいたらしいが、外交に失点のおおいオバマ大統領はよろこんだ。ところが、キューバ革命当時の米国資産の没収などの傷跡はまだまだ忘れられてない。もう若い世代だから、ちゃらにして外交を考えようというのは無理らしい。それはともかく、石油をテコとした米国の世界戦略がすけてみえる。もう一つ、驚愕の事件があった。

* 7) イスラム国の惨劇
** 1) まさかと思ったことが現実に、イスラム国の不思議
悲劇にあわれた日本人の二人、その家族の皆さんには気の毒と思うが、この話しの流れから、すこし筆がすべるかもしれない。お断りしておく。さて、誘拐や身代金騒ぎは、まるでアラビア商人の法外のふっかけみたいに思ってた日本人にとって驚愕の事件だった。本当におきてしまって、やっと厳しい世界の姿を感じたのでないか。イスラム国って何だろう。イラク戦争の残党、過激派が合流した集団、さらに石油施設を違法にうばい、そこからの収入を活動資金にしてる。こんなものだろうが、突然、国家宣言をしたことが目あたらしい。これで一躍世界の注目をあつめた。よく見ると、その乱暴な活動振りと裏腹に、インターネットのSNSを巧妙に活用して、戦闘員を欧州、豪州などからリクルートしてくる。新時代の過激派である。 このイスラム国が原油安にくるしんでる。ところで、冒頭の戦争の話しである。

** 2) 過激派でも金がいる、石油は大切な資金源
高騰した石油から得られた利益は、いわば不労所得であるが、これはどこにながれたのか。イスラム国の戦闘員は、訓練をうけ最新の武器をあたえられ戦闘に参加したりもする。一年間で終了、帰国しあらたな戦闘員をリクルートする働きをするそうだ。殺人をよろこぶ人はすくないと思うが、ミリタリーオタクには、とっても魅力的な仕事だろう。長期不況にある欧州で若い人が社会に職をみつけるのは非常にむづかしい。余計に魅力的だ。どれだけ給料がもらえるのか、危険なだけ絶対に好条件にきまってる。たんなる大義名分だけでは人をあつめられない。過激派の人たちはある意味、戦争を稼業としてる人でもある。

どんなひどい敗戦でも死者は部隊の一割か二割ときいた。つまりそのほかは生きのこる。まして全面衝突のような戦いはさける。するとかなり稼ぎのよい仕事に見える。でも資金がいる。これがどこからきてるのか、特に紛争がたえない中東においてどこからきてるのか。石油が資金源となってることは間違いない。さて、わたしの感想である。

* 8) 米国の対応力
20$/バレルから100$/バレルをこえる高騰は、中国ほかおおくの途上国の経済成長によるものらしい。日本に理解不能の円高がすすんだ時代だ。わたしはそこでボットしてたと思う。ところが米国は、たちまち価格高騰により開かれたシェールオイルの開発にのりだした。三年で輸出国にかわった。今後も開発がすすむだろう。今回の噂の真相では、50万バレルでの妥協は、新規の開発には打撃であるという。しかしそれでもサウジと妥協をはかった。というのであるから、日本では絶対できないと思う。ぐずぐずと既得権の声にながされて決断を先送りしてしまう国とくらべて、まことに果断である。

* 9) 今後
この国の今後である。原発にだけしぼる。空疎な理想論にながされず、現在の漸進主義をふまえ適切な決断をしてもらいたい。

わたしのブログには関連した記事がある。参考までにしめす。
ドイツの原発事情 (2014/5/12)
イスラム国 (2014/9/23)

甲状腺ガンのからくり [脱原発]

ネットをみてたら、福島県の調査で甲状腺ガンの発症が異常という。これをみて驚いた。指摘では30万人で50人という。この記事は「美味しんぼ」のいうことは本当だといいたいようだ。通常の頻度より、わたしの計算で10倍から15倍の数字となる。本当か。で、しらべて下表にまとめた。これは今年3月に発表された福島県の調査報告を一般むけに解説したもの。だが、それでもむづかしい。その心をわたしがつけくわえた。

心ある調査結果
その心事項
説明
事故から3年目、甲状腺ガン検査の経過と現状を説明する 趣旨   東電福島原発事故後、当然のこととして多くの方々が子ども達への健康影響を心配されています。今回は、事故から3年目を迎えるにあたり、福島県における小児甲状腺超音波検査の経過と現状についてご説明します。
  福島県が事故後の平成23年7月から開始した県民健康管理調査事業(1)の一環として、同年10月から福島県立医科大学で、小児甲状腺超音波検査の予備検査が始まりました。まずは、原発事故で環境中に放出された放射性ヨウ素による初期内部被ばくの健康影響が懸念された「計画的避難地域」から始まり、その後全県下で、事故当時概ね18歳以下だった子ども達への甲状腺超音波検査が先行検査として行われています。
子どもたちを守るため甲状腺ガンの基礎データをとる。将来のデータもとる。それを比較する。こうして本当の姿をしる 小児甲状腺音波検査が始まった経緯   原発事故直後当初、まだ正確な甲状腺被ばく線量が分からなかった福島県において、「子ども達を守るんだ」という強いメッセージが広がりました。そして同時に、長期にわたる健康管理体制づくりの必要性も主張されました。
  当時、0歳~18歳までの乳幼児、学童の疾患頻度に関するデータが全く無かった中で、まずは基礎データとなる先行検査が必要でした。そして将来、原発事故当初の<甲状腺異常の頻度とその後の推移を比較するためには、同じ解析手段を用いて「統計データを標準化」することが不可欠であり、さらに「診断基準の統一」が重要となります。
こんな本格的調査では甲状腺ガンの頻度が従来のデータとくらべて高くなる。それを配慮して結果を評価する必要がある 「スクリーニング効果」の懸念   全県下の子どもたち、約36万人もの規模に対する小児甲状腺超音波検査を、診断精度が高い最新の超音波検査機器を利用し、さらに国内の専門家が協力して行うような体制整備は、まさに世界でも初めての経験でした。   このため当初から、医療界ではよく知られたスクリーニング効果(それまで検査をしていなかった方々に対して一気に幅広く検査を行うと、無症状で無自覚な病気や有所見〈正常とは異なる検査結果〉が高い頻度で見つかる事)の発生が懸念されていたことを、まずお伝えしておきます。   また事故前は、乳幼児、小児の甲状腺超音波診断に関して、甲状腺の専門家や小児科医ですら経験値が少なく、不慣れな状況であり、関連ガイドラインも不備な状況にありました
まずはじまった先行結果はどうか。27万人中で33人 先行検査の途中経過   そうした懸念も念頭に置きつつ、ここで平成26年2月7日に開かれた第14回福島県「県民健康管理調査」検討委員会で公開された、小児甲状腺検査の実施状況とその結果を見てみましょう(2)。
  平成25年(2013年)12月31日時点の集計データでは、一次検査の受診者は約27万人であり、いまだ途中経過ですが、そのうち94.4%についてはすでに検査結果が通知されています。この中で、1796名が二次検査対象者と判断され、さらにそのうち甲状腺結節の細胞診検査を受けた中の75名が「悪性ないし悪性疑い」と報告されました。さらに、実際に手術によって小児甲状腺癌と確定診断されたのは33名です。
で、これはどうなのか。影響なし。自然発症。その根拠もある 先行検査の結果をどう評価するか   一連の検査で発見された小児甲状腺癌の大半は、思春期前後かそれ以降の甲状腺癌(上記75名の平均年齢は16.9±2.6歳で、平均腫瘍径は14.3±7.6mm)でした。さらに検討委員会では、外部被ばく線量との関係や、地域・地区別の比較結果なども合わせて報告されました。その結果、検査で発見されたのは、原発事故とは直接的な関係が無い「自然発症(福島だけでなく、どの地域で検査をしても一定の確率で発見される)の小児甲状腺癌」であり、前述の通りスクリーニング効果であると評価しています。
  事故後2年半内に実施された先行検査によって、当然、病気が発症する前のごく早期の段階の癌が多く見つかった事にもなります。よってその確率は、従来の手術症例数やがん登録数を元にした確率などとは比較できないと言えます。
  そのことを裏付けるデータがあります。昨年度環境省が、青森県、山梨県、長崎県で約4500名に対して福島と同じ方式で検査を行い、その結果がすでに公表されていますが、同一診断基準での小児甲状腺の異常所見の頻度は、福島県と概ね同等であることが判明しています(3)。
  チェルノブイリ原発事故では小児甲状腺癌が事故後4~5年以降に増加したという事実は、事故直後、人々を早めの先行調査へと急き立てました。しかしご紹介した通り、福島県の実態は、その個人被ばく線量の低さからしても、チェルノブイリとは大きく異なると言えます。それでもなお、予断を許さず慎重な対応が求められています。
今後の検査も着々と。国際会議も 今後の検査スケジュール   今後も検査が続けられ、本年度中には、まだ検査を受けていない会津地方や県外避難中の子どもたちに対する甲状腺検査が終了する予定です。全県下の約36万人の子ども達への先行検査が一巡した時点で、その結果から基本疾患頻度(それぞれの年齢別、男女別に甲状腺超音波検査での異常所見や癌が検出される頻度)が明らかにされるものと期待されます。一巡目の先行検査の詳細な検討は、新たに「県民健康管理調査」検討委員会の中に特別に設置された「甲状腺検査評価部会」で議論される予定です。さらに世界の叡智を集結して、学術的な課題からその対応策まで幅広く協議されることになります。たとえばその一環として環境省は、他の機関と共催で「放射線と甲状腺がん」に関する国際ワークショップを企画しています(4)。
  そして今年4月からは、一巡目の検査結果を元に、二巡目となる本格検査が計画されています。
今後の課題は定期的な調査の実施、診断、検査の改善、子どもたちを守る努力が必要 今後に向けての課題   一般的な癌は、患ってから発見されるまでに数年から数十年かかるというのが生物学的、臨床医学的にもコンセンサスが得られているところですが、とりわけ甲状腺癌は発育が遅く、かつ若いほど治療成績が良い事が知られています。
  当初の計画では、18歳以下の高校生までは2年ごと、20歳以上は5年ごとの節目の検査が予定されていますが、今後いかにして定期的な追跡調査を長く続けていくかが重要な課題となってきます。
  さらには、全国の専門家による診断や治療の標準化、放射線被ばくの影響の有無についてなど、引き続き検討課題はたくさん残されています。前代未聞の大規模かつ長期にわたる小児甲状腺検査を成功させるためには、検査に携わる関係者の努力と同時に、何よりも甲状腺異常と診断された子ども達、治療を受ける子ども達の心身両面にわたる健康管理が、長きにわたり求められる事になります。病気を理解して治療を受ける成人であっても、精神心理的な影響を無視することはできません。子ども達に対してはなおさら、治療中、そして治療後の心のケアがとても重要となります。
  福島県内では、こうした小児甲状腺超音波検査の意義や検査結果についての説明会などが関係者の努力で続けられています(5)。今後、健康見守り事業全般への住民の方々のさらなる理解と協力が求められています。
念のため文責は 文章責任者 山下俊一
福島県立医科大学副学長
長崎大学理事・副学長(福島復興支援担当)


結論

わたしは一般人の常識で判断するが、この報告、結果に納得した。国際会議もひらかれる。疑問があれば専門家の間で議論されるだろう。必要があればこの解説のように一般人にむけて解説してほしい。ようするに、福島の子どもたちに放射線の影響はない、という結果である。いやな言葉だが「不安商法」ということがあるらしい。かなり儲かるらしい。みないようにしよう。
関連リンク:http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g62.html


美味しんぼ、その2 [脱原発]

原発、風評被害の問題は複雑である。おおくの人が発言してる。そこでいいたい。世の中に発言すると大なり小なり責任がうまれる。世の中のためになるという気持をもつ。それが大切である。下の表をつくった。簡明を優先したので、舌足らずの表現があることをお断りする。

発言する人への要望
要望対象発言、評価
世の中のために 政治家 小泉自民党議員何度も福島へ。むしろ元気に
不安をもつ国民へのメッセージとして評価する
石原環境大臣 鼻血とは関係ないと否定
担当者として当然の発言
安倍総理 国として風評被害に全力
総理として当然の発言
伊達双葉町長、福島県 風評被害を訴え
もうすこし明るく
井戸川前双葉町長 自分も鼻血被害。損害賠償をもとめたい人も
真意を疑う。もっと具体的事実、行動を
橋本大阪市長 被災地のガレキ処理により、処理場周辺の住民が鼻血の被害をうけたという。小学館に抗議、情報開示を
事実と異なると指摘、情報開示をもとめて当然
有識者 福島大学教員 漫画に登場し福島にすんでいけないと主張
真意を疑う。もっと具体的根拠を、学問としての議論を
岐阜県環境医学研究所長 放射線被爆と鼻血は関係あり
もっと具体的根拠を、学問としての議論を
ふくしま集団疎開裁判の会 風評被害を訴える県を批判。真実でないという
裁判という具体的行動は評価できる
お笑い、松本人志 漫画家は神と擁護
創作者としての気持はわかるが、実際に影響がしょうじる現実に理解を
しずかに まよってる一般人 みて考えて自分できめる
これが妥当

実際の石原大臣の発言はもっと複雑である。「住民の被ばくと鼻血の因果関係はないという評価が既に出ている」という。これをわたしは、医学的、おそらく疫学的調査をおこなった結果、両者に有意な関係があるとはいえない、という結果だった、ということと思う。放射線に絶対安全はないといった。だからこのような結果でも放射線に不安をだき、被害を主張する人がでても理解できるところがある。

ここで「世の中のために」といことを補足する。双葉町長、福島県が風評被害に神経質になるのは理解できるが、注目があつまったこの機会に支援してくれた人々に頑張っていると前向きのメッセージもおくってほしい。いたずらに被害者の立場だけを強調するのは一方的である。

前の町長の発言には政治的思惑があるとの印象がぬぐえない。どれだけの人々が被害をうけているのか具体的状況を明らかにするとともに、賠償請求の具体的動きをみせてほしい。事実を明らかにすることが一般の人の利益につながる。これまでおおくの助けがあったことをわすれないでほしい。努力を期待したい。

大学の先生、研究所長さんについて、学問として議論を深めてほしい。それが一般の人の利益となることをわすれないでほしい。

橋本市長が5月19日発売の掲載誌をみて、一般の批判もふくむ特集記事を掲載した対応を評価した。また美味しんぼが休載となったことも妥当とした。

今回の動きについて、放射線の被害のあるなしは、さておいて、その掲載、表現方法について詳細に分析した記事をみつけた。そこで、1) 被害が放射線によるという、主張が掲載号をまたいで微妙に変化していること、2) フィクションでありながら、現実の人間が登場し発言する。その両者の区分があいまいであること、3) 充分な取材でなかったこと、を指摘している。株式会社サイゾーが提供し浜田六郎氏による。参考になった。さて結論である。

結論

このような問題では、多様の意見がかわされることが重要である。この国では静謐がふりまわされがちである。騒がしい議論が不毛な結果になりがちである。そこで、世の中のためにするという気持をもつことを指摘したい。いたずらに不安をあおったり、苦しんでいる人々をさらに傷つけてよいわけない。声高に自分の主張をするだけでは不十分である。事実を提供し、学問的議論や、裁判において多様な主張をあらそうことで、おおくの人への利益につながる。こした実りをもたらすように発言すべき、と思う。

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