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西嶋投手のスローカーブ [野球]

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夏の甲子園、東海大四の西嶋投手がなげたスローカーブが話題となった。観衆はおおいに喝采、盛りあがったが、あれを投球術とよびたくない。元アナウンサーの方の批判があった。それに大リーガーのダルビッシュ投手がスローボールをなげるのはむづかしい。ルールの範囲内だと擁護した。わたしもYoutubeでみた。たしかに画面の外にでるほどのスローボールだった。昔の名投手、金田、今中を思いだした。スローカーブの名手だった。

どこがすごいかというと、速球とカーブの区別がつかない。球が手を離れるまでわからないので、バッターは4、50kmの違いがある球をうたねばならない。特に、今中のはすごかった。この人のカーブは、球を離なす寸前まで区別がつかない、というより。むしろスローカーブをなげる時の方が力がはいる。そこから予想外の球がとびだす。フォームには何の違いもない。遲い球だから山なりとなる。だから一瞬、バッターの体がうく。そこに低め一杯に球がきまる。これではとてもうてない。そう感じた。

バッターは球が手を離れてから、速球、変化球、遲い球と判断するのでない。それではおくれる。ピッチャーの投球動作、特に球が離れ寸前までの大事なところをみてる。おおくの場合、そこで筋肉がゆるむ。動きが遅くなる。体全体にも緊張感がなくなる。これで遲い球がくると予想できる。これが早くわかれば、それだけタイミングがとりやすくなる。言い換えれば、これがギリギリまでわからないのが名投手のスローカーブである。今中や金田のはわからなかった。西嶋投手のスローカーブである。

この人は、球を離す前、肩の上、顔の横にきたあたりで、腕の筋肉がゆるむ。動きが遅くなる。球が離れる瞬間には体全体の緊張がゆるんでいる。これではバッターに察知されてしまう。走者からも、わかると思う。だから走者がいたら、なげれない。わたしの感想である。

バッターのタイミングをくるわせる効果はほとんどない。こんなに遅くてはコントロールがむづかしい。事実、すべてボールだった。ただ初対面の時には、相手をびっくりさせる程度の効果はあると思うが、今中、金田のように常用する球でない。投球術としては、あきらかに劣る。で、結論である。

西嶋投手にとって甲子園は一生に一度の晴れ舞台である。そこで思いきり躍動したとと思うのは当然である。ルールが許容する範囲であることもたしかでる。この国は自由を大切にする民主主義の国である。多様な生き方、やり方に寛容であるべきである。これはこれでよい。

統一球の芯その2 [野球]

あれ変だなというネット記事をみつけた。適合球導入で投高打低という記事である。すでに「統一球の芯」で取りあげたことだが、4月末から基準に適合した統一球をつかってプロ野球の試合がおこなわれている。2013年のゴタゴタから、引きつづいて、また騒動。それがおさまってプロ野球が順調にすすんでる、と思ってたが、そうでないらしい。

投高打低で試合が面白くない。飛ばない球で試合時間が短縮というメリットもない。こんな指摘である。
(http://topics.jp.msn.com/sports/topics.aspx?topicid=1331)

この問題は、わたしの理解では、品質管理の理解が不十分なまま統一球を提供。飛ぶ飛ばないという側面のみが問題。また基準の変更をかくしてたことのスキャンダル性に注目があつまった。今年にはいっておきた小騒動も機械的に基準に適合させたことで一応収束。皆さんは納得と思ってたが、そうでないみたい。振りかえる。

1) 前のコミッショナーの時代に国際基準に適合させるといって飛ばない球を導入。これが球団側に不評、選手は重大な労働条件の変更と問題視。ファンは賛否わかれるが、やはりもうすこし飛ぶ方がよいというのが総意
2) ところが、2013年に飛ぶように変更してたが、それをかくしてた。それが発覚して大騒動
3) (以下はわたしの理解)2013年の騒動をとおして、もうすこし飛ぶ球に変更するという総意がうまれた。ところが騒動の中でうやむやとなった。とにかく基準にあわせるということだけが問題とされた。それが2014年の小騒動に引きつがれて現在にいたる。で、記事がでた。やっぱり不満だった。だったらよくすればいい。それで結論である。

瑣末な数字あわせに振りまわされず、本質的なプロ野球のあり方から、もうすこし飛ぶ球を導入する。そのため品質管理の専門家をいれて、目標値とバラツキをさだめた品質基準を導入し、それを提供するとともに検証する。

なお、補足するが、あらためて、わたしの書いた「統一球の芯」を読みかえした。やはり専門的事項はむづかしい。専門家の知恵が必要だ。それに報道側にもこの分野にくわしい人がいると思う。その見識のはいった記事を期待する。

清武の乱、その2 [野球]

はじめに

6月5日の公判に渡邊恒雄さんと清武英利さんが証人として登場した。そこでいくつかの名言、気になる発言があった。わたしは、その1で、
1) 巨人のGMを法的にどの程度評価するのか、
2) 舶来の概念、コンプライアンスをどう評価するのか、
ということをいった。それで感想である。

GM新設で何もかわらない

渡邊さんがいう。
「GMの新設と申しますが、巨人軍の定款その他、GMについて明記がありません。仮称です」といい、あらたに付加された権限はない、と主張した。その根拠にもしあらたな権限が付加されたなら定款の改正がなされるべきなのになかったという。疑問がある。

1) 定款改正が必須なのか。その根拠はどこにあるのか。
2) 清武さんに強大な権限があるといってるが、ここで問題となってるのは、人事案件を報告し了承されたと理解し、それをすすめている時に否定された。それを不当と主張する。それが正当だといえる程度の権限である。もっとも清武さんは現在それ以上の権限があると主張してるようだが、ぎりぎりゆずれないのはここだ、と思う。そこで疑問だ。

このような権限は規定のあるなしをさておいて、あるのでないか。規定が存在しないことで、それがないと主張できるのか。

3) 組織は合理的な存在である。だからこそ統制が正当化される。定款や規定に明記されてないとしても、必要な機能は存在し、維持され、必要な統制も機能する。2012年にむけてのコーチ陣の編成、キャンプの準備の中に清武さんのもってるGMとしての機能がみとめられる。それを否定するのか。

4) このような機能も統制もある。それを勝手きままに否定する。それが日常茶飯事のようにくりかえされたら、組織は崩壊する。読売新聞も巨人軍もそのような異常な組織ではない。渡邊さんがコーチ人事を否定したのは、わがままからでないのか。

僕と読売新聞社は一体ですから

清武側弁護士が渡邊さんにいう。「あなたは、23年11月11日の清武さんとの会話で『記者会見したら、これは破滅だぞ、破局だな』、また『読売新聞社と全面戦争になるんだから』といったと指摘した時、それをみとめる発言として飛びだした。ずいぶん傲慢な人だなと思う。でもこのような歯に衣をきせぬ発言はよくあった。これがこの人の人間的魅力でもあったと思う。巨人軍会長である渡邊さんと清武さんの対立が読売新聞との全面対決となるわけでない。これが後に清武さんが、自分を読売新聞全組織をあげて攻撃してくるといわしめたものと思う。で、疑問である。

中世ヨーロッパの王権神授説でない。最高責任者個人の人格を淵源として組織が存在してない。渡邊さん本人の名誉は相当傷ついたかもしれないが、清武発言により読売新聞の名誉はさほど傷ついてない。清武さんは裁判の当事者に参加してるが、渡邊さんは参加してない。日頃の歯切れよい発言と裏腹で、いさぎよくない。で、ないか。

という印象だ。といことで、次回公判は9月18日という。まだまだ先がみえないが、今後も見まもりたい。

清武の乱 [野球]

ひさしぶりに、巨人を解任された清武英利氏の名前がネットに登場した。きたる6月5日に裁判に証人として登場するという。あの渡邊恒雄読売巨人軍会長も同日に登場するそうである。あの清武の乱が何だったかを思いだしたい。

記者会見

清武さんは、2011年11月11日に記者会見をひらいて、こうきりだした。
11月9日に渡邊恒雄読売巨人軍会長から、「巨人軍の一軍ヘッドコーチは江川卓氏とし、岡崎郁ヘッドコーチは降格させる。江川氏との交渉もはじめている」といわれた。しかし清武さんは、桃井オーナーや原監督と協議し、ヘッドコーチは岡崎氏と内定し、岡崎氏につたえた。オーナーが決定した年俸で今日11日に契約書をとりかわすこととなってた。すでに宮崎で秋季キャンプにはいっていた段階で、このような通告があった。これは、渡邊さんが組織、規定を無視した重大なコンプライアンス(法令)違反にあたるという。さらにつづく。

清武さんと桃井オーナーは読売本社の渡邊さんをおとづれ、事前に岡崎氏をふくむ人事案件を説明し了承をえていた。ところが渡邊さんはその後に、記者団に「俺は何も報告をきいていない。俺に報告なしに、勝手にコーチの人事をいじくるというのは、そんなことありうるのかね。俺はしらん。責任はもたんよ」という発言があった。で、清武さんが反論する。

事実にはんする。もし、わすれたというなら、巨人軍球団会長の任にたえないということになる。そうでないなら、虚言をろうしたことになる。これは、重大な過失であり、コンプライアンス違反である。なまなましい暴露もとびだした。

11月7日桃井オーナーは渡邊さんから、次のような内示をうけた。

人事異動の内示
新旧
桃井
清武
代表取締役社長 専務取締役球団代表・オーナー代行兼総務本部長コンプライアンス担当
オーナー兼代表取締役社長 専務取締役球団代表・オーナー代行・GM兼編成本部長


11月9日に渡邊さんから清武さんに、将来、社長にする。定年を68歳でのばす可能性もある、といわれ、受諾するよう要請された、という。なまなましい発言である。この後、清武さんは、読売新聞記者からん巨人軍にはいった経緯、渡邊さんが不祥事でオーナーを辞任した巨人軍のため頑張ってきた話しをつけくわた。ここで名言というか、迷言がとびだした。渡邊さんが江川氏を推薦する理由に、「悪名は無名にまさる」と発言したそうだ。

ここで、巨人のあ人事にかんし序列があることを付言しておく。

会長 <ー オーナー <ー社長 <ー 球団代表 <ー GM

これは、人事では降格をさける、との原則。それと実際の人事、つまり辞令の内容、実例、つまり、渡邊さんが、オーナーをやめて会長に昇任したことなどの事実から推測したものである。辞令におおくの役職名が登場する。たしかどれも規定上にさだめられてないようだ。しかしこのような序列が存在することは裁判上で主張できそうだ。

解任

読売側は清武さんを解任した。読売の名誉を失墜させたと損害賠償ももとめた。清武さんも対抗する。解任にたいする損害賠償である。さらに、これに関連し読売側は清武さんは社内資料をもちだした。それが出版されることを問題にした。ここで補足説明する。

渡邊さんは、1996年にオーナーに就任し、2005年に不祥事で辞任し、巨人軍の会長に就任した。後任は滝鼻卓雄氏である。清武さんは、2004年にGMに就任し、2011年に解任された。清武さんは会見で自分に実質的にコーチの人事権があるといった。GMという肩書はそのとおりだが、この「実質的」に問題ありという。桃井オーナーは、巨人の組織規定にはGMに関する条文はない。コーチの人事権は誰にあるのかを明確にさだめた条文もない、という反論だ。なんとも根拠薄弱な発言だが正確な発言である。さらに付言する。会長である渡邊さんに人事権があるとも、オーナーである桃井氏にあるとも主張していない。勿論、清武さんに人事権がないとも主張してない。裁判でどう評価されるか、しりたいところである。

そこで一言補足。監督のほかに何故GM (general manager)が必要なのかということである。

GM

米国メジャーリーグベースボールをみているうちに、どこかできいたことである。監督は、勝ちを自分のせいに、負けを選手のせいにしたがる。選手は公平をもとめる。もっと公平に自分をつかってくれたら、もっと活躍できたという。監督が選手の獲得に口をだすと選手はその選手は贔屓という。どんなに公平だといっても、そう思わない。ここである。選手の獲得はGMがおこない、試合での起用は監督がおこなうと分離する。これで監督、選手の不満やいいわけを排除し、GM、監督、選手の評価をより客観的にすることができる、という考えから導入されたという。これは球団運営をおこなうための合理的な組織の姿をしめしてる。日本でも日本ハム、ヤクルトが採用してる。これも裁判でどう評価されるか気になる。ところでこんなゴタゴタはどこかで波風がたつと思ってた。で、でた。

契約金問題

2012年2月に第一回の公判があった。3月である。朝日新聞が「巨人、6選手に契約金36億円 球界申し合わせ超過」というスクープをほうじた。契約金最高標準額(1億5000万円)を破って1997年から2004年の新人選手6人と契約、超過分は27億円にのぼるという。渡邉さんはまさにこの時期にオーナーをつとめてた。これには前史がある。

有力新人を獲得したい各球団は、きそって好条件で新人をさそう。アマチュア規定にはんし、ひそかに金品を供与することもある。そのため何度も申し合せをした。でもやぶられる。水面下で申し合わせ違反は横行しているとの噂はたえなかった。事実、2007年には申し合わせ違反として、西武球団と横浜球団にコミッショナーから厳重注意の処分がもたらされた。ところが巨人にもこのような不祥事が発覚したわけである。巨人はこれは、2007年までは上限ではない。ルール違反という問題はしょうじないと主張した。契約金の高騰は長年の懸案事項だった。それを防止しようと何度も申し合わせた。その拘束力がどれほどのものか、必ずしもたしかではないが、これほどの超過を問題にしないのなら、申し合せ自体がまったく無意味となってしまう。ずいぶん鉄面皮だ。でも巨人は、どうして漏れたかのか。そちらを問題にしたようだ。朝日の取材源にかみついた。まだまだつづく。

女性問題

6月原監督の女性問題を週刊文春がスクープした。元暴力団関係者におどされて一億円支払ったというものだった。巨人軍・読売は、事実を否定していない。しかし、取材において内部資料が流出したこと、取材の適否を問題にした。ここでまた、第二の迷言がでた。すこしながいが、ある意味で衝撃的だった。

原監督が清武さんによびかけている体の文書である。契約金超過、原監督女性問題の暴露で巨人の選手、OB、関係者がこまっている。そうして疑問がある。「こんなことがなぜ続くのか。清武さんのほかに、いったいだれがいるのか」といっている。善人原監督の顔がうかぶ。事実無根を主張するわけでも、内部資料流出の犯人を清武さんと断定するわけでない、またまた中途半端である。清武さんは犯人説を否定するとともに、この文書が原監督の名前だが、本人であるまいと示唆した。この件のひろがりは、このあたりまでであるが、両者が裁判において、次の請求、仮処分の請求をおこなっている。

おおくの裁判

ずいぶん訴訟、仮処分が請求されている。清武さんからと、巨人・読売からである。


清武と巨人・読売の訴訟
清武->巨人・読売・渡邊 巨人・読売->清武 巨人・読売->出版社
解任に関し損害賠償等請求 忠実義務違反に関し損害賠償請求 七つ森書館に対し出版契約無効確認請求、出版差し止めの仮処分請求。記者時代の清武さんが取材した出版物を復刻しようとする出版社に対するもの
朝日新聞契約金報道に関し損害賠償等請求 動産引渡請求(清武さんの携帯の通信記録をみたかったらしい) 「巨魁」出版のWACに対して清武さん委託の資料に関し仮処分請求
原監督1億円支払問題に関し損害賠償等請求   週刊文春に対して、出版広告差し止めの仮処分の請求


V9の栄光

次の図は、巨人のV9(九連覇)以降のオーナーと巨人日本一の関係をしめす表である。清武さんを解任し次々と訴訟をおこした、あるいはおこさせた渡邊さんをどう評価するのか。どうも九連覇、正力さんの存在ばかりが目だってしまう。

V9以降のオーナーと巨人日本一
オーナー就任年巨人日本一
白石 2011~2014 12年優勝
桃井 2011(6.7~11.18)  
滝鼻 2004~2011 09年優勝
渡邊 1996~2004 00、02年優勝
正力 1963~1996 65~73年V9。81、89、94年巨人優勝


長くなってしまった。2011年11月以降から現在を振りかえった。では、今後の裁判をどうみるか。わたしは、この国の中間管理職、とくに組織の最高責任者のわがままに振りまわされてるおおくの中間管理職に関係がある大切なものと思ってる。これをGM職をとかれた清武さんの私憤がわがままな最高責任者に暴発したものにすぎない。こう切りすてる考えはとらない。中間管理職の悲哀を理解し、正当に評価することはこの国の将来にとって重要であると考えている。さて結論である

結論

次の二点が裁判で適正に評価されることを期待する。

1) 巨人のGMを法的にどの程度評価するのか。
辞令上の名称にすぎない。最高責任者の一存でその決定は簡単にくつがえるものなのか。裁判であきらかにされる事実を前提にいえば、GMとい機能はたしかに存在した。規定があるなしにかかわらずである。それをきちんんと認めることは、GMを正当に評価することにつながる。不当な最高責任者の影響を排除することにつながると思う。

2) 舶来の概念、コンプライアンスをどう評価するのか
内部でどんなコンプライアンスをさだめようとも、それは内部の問題だ。法的にはなんら重みはない。こんな考えは今や成りたたないと思う。組織がおおくの人びとに重大な影響をおよぼす現代社会において、単純に内部事項にとどまらない大切な法秩序であると評価すべきと思う。そこで清武さんの主張と読売側の主張の両者を勘案して、どの程度清武さのコンプライアンス違反の主張を認めるか。忠実義務違反の前ではまったく問題にならないものなのか、その判断をしりたい。

DeNA中村選手 [野球]

DeNA中村紀洋選手が監督の采配を批判したとして、二軍に降格された。わたしは、巨人の王や長島、V9(巨人9連続日本一)をみてきた。だからこのような自由奔放な選手は異質とかんじてしまうが、たしかに、みようによっては面白い。ここで奇しくも同年にうまれたプロ野球選手、中村、小笠原、イチローを比較した。イチローは当然のことだが、中村は近鉄で、小笠原は日ハムで主力選手として活躍した。いまだ三人とも現役である。下表である。

三人の比較
中村小笠原イチロー
球団経歴
PS移籍:ポスティグシステムによる移籍。ドラ4:ドラフト4位のこと
1973---誕生
180cm、92kg
誕生
178cm、84kg
誕生
180cm、77kg
1991近鉄ドラ4、高卒入団NTT関東オリックス、ドラ4、高卒入団
1997 日ハム、ドラ3、社会人入団 
2001  マリナーズ入団
200211月FA宣言、メッツと契約寸前、破棄、近鉄残留。近鉄との間で4年、PS条項ありとの契約があきらかとなる  
2004オリックス近鉄がオリックスに吸収合併  
2005ドジャースPS移籍、マイナー契約、メジャー昇格するもAAAでシーズン終了  
2006オリックス復帰。シーズン後、契約交渉不調、トレード不成立FA宣言 
2007中日育成枠で入団巨人移籍 
20082度目のFA宣言  
2009楽天楽天  
201010月戦力外通告  
2011横浜低調  
2012オールスター選出。8月登録抹消 ヤンキース
20132000本安打  
20145月、登録抹消中日、FA移籍ヤンキース


中村選手の不満

5月7日、試合中の午後8時にfacebookで自分の打席で一塁走者が盗塁をするのに不満を表明、間接的ながら監督の采配を批判した。それを問題視して登録抹消、二軍降格となった。中村選手は2012年にも自分の打席中に盗塁をした後輩選手をベンチで説教した。これは自分の判断で盗塁することをゆるしている監督采配への批判ととられた。表向きは肘痛による登録抹消だったが、これが原因といわれている。
近鉄においてもあったらしい。わたしは解説者となった近鉄元監督西本さんが、「あんなに、ブリブリ振り回わさせてはいかん」と怒っておられた。いつの記事かいえないが、采配を批判したり、自分の子分をかばう姿を、ある監督が「あれはしようがない奴だ」と苦笑していた、という。オリックスをやめて浪人していた時、いわば拾ってもらったような中日に何故、FA宣言をして楽天にいったのか。楽天でも選手主催のチーム決起大会がひらかれた。たしか選手会会長が司会をつとめていたが、その進行に注文をつけてこまらせたという記事をよんだ。

中村選手は、2000本安打を達成、本塁打も400本をこえるスラッガーである。主力選手が晩年になると、自分の待遇への不満から監督やチームを批判する。自分の子分をつくってチームの統制をみだす。このような例はおうおうにしてみられる。また、勝利につながるチームバッティングは不満があっても従うが、弱小チームでは不満だけがのこる。こうしてチームが崩壊してゆくことがある。監督と主力選手の闘いとなることもある。

結論

中村選手は落合博満氏を打撃の師として尊敬してるそうだ。わたしは、巨人の王や長島をみていた。その目からは、落合氏をわがままな選手の部類にいれていた。中日の監督になるときいて、驚いた。さらに優勝に導いた采配にもっと驚いた。いったんやめて、GMとして中日に復帰したのには驚愕した。中村選手はおおくの球団をわたりあるいた苦労人である。怪我に苦しみながら実績をのこしてきた。彼の野球人生を落合氏の人生とかさねあわせてみてしまう。人はまだ成長できる。これからだとエールをおくる。

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統一球の芯 [野球]

2014年のプロ野球のシーズンがはじまったばかりに、また統一球の問題が勃発した。日本野球機構が三月に抜き打ち検査をしたところ、反発係数の平均値が0.426と規定値の上限0.4234をうわまわっていることが判明したと発表した。機構は供給元のミズノに早急な原因究明と、対策をしめすよう指示した。ミズノは、次のような対策をしめすとともに、あらたに検査をした統一球が基準に合致したので、四月末からこの合格球を供給すると発表した。

1) ボールの硬さの管理基準を設定し、製造工程内での全数検査の実施。(これは従来やってなかった)
2) 材料毛糸の含水率について基準を設定し、毛糸含水率検査を実施。(これが主要な原因らしい)
3) 出荷前検査は日本車両検査協会で実施。(これはミズノでおこなう検査と結果が異なる。このため機構側で依頼してた同じ機関で検査することとした)

こうして、上海ミズノで四月一八日から製造したボールの反発係数を測定した。結果、反発係数は基準内の数値0.416(合計6ダースの平均値)だった。これを四月末から提供する、ということとなった。一応、一件落着である。

もう一度

このことについては、飛ばないといわれてた統一球が2013年6月に、しらない間に飛ぶ球に変更になっていたと発覚。大問題となった。当時のコミッショナーが辞任する騒ぎだった。また同じようなことがおきたか、という感想だった。ところでこの問題を第三者による委員会が調査し報告書を13年にだした。これをよんで変なことに気がついた。

品質管理の話し

この国は品質管理の分野では世界に冠たる国であるが、どうも品質管理について十分な理解がない方たちが報告書をまとめられた。失礼だが指摘すべきことがされてない、と思った。具体的な説明である。大量の製品を供給する。例えば反発係数が0.4134の統一球を供給する。理想的な場合である。平均値が0.4134となる。個々の球の値は当然、この値の両側に対称にばらつきをもったものになる。理論的には期待値0.4134を中央の頂上とし両側になだらかに流れる正規分布曲線をえがく。この理論をもとに生産現場では一定の値(平均値)と個々の球のばらつきが一定の範囲におさえられた製品を供給する。

ところでミズノは、機構側に次のような約束をしたという。
1)平均値を0.4134に限りなくちかくする。
2)個々の球のばらつきを0.4034から0.4234の間におさめる。これは正規分布の標準偏差値からだしたもの、と思う。

これをもとに契約がかわされ、球が供給されるようになったが、13年、14年と問題がでた、というわけである。上記の記事にからみると機構側は、どうやら実測された平均値が個々の球のばらつきの範囲におさまっていれば合格と考えているようだ。これはこれまでの説明でわかるように間違った基準を適用してる。たしかにはっきりしないのだが、「0.4134に限りなくちかくにする」という基準に合格してるかどうかを検査しなければならない。にもかかわらず、してないということである。13年の時には一体何をしてるのかと思ったし、14年もまたか、と思った。でもネットで改めてしらべ、また考えてもみた。すると若干ちがった感想となった。つまり下のとおりである。

1) ミズノは品質管理にちゃんとした考えをもってる。
2) 機構側にも品質管理に理解ある人がいるらしい。

で、あらためて問題点を確認する。
ミズノと機構の功罪
立場約束検証
ミズノ目標をしめし、個々の球のバラつきの許容値をしめした。適切 品質管理の専門家として、検証の具体的方法も提案すべき、という考えもある。あえて指摘すれば問題点
機構 受諾。これには問題はない 6ダースの球を実測、平均値のみを算出。不十分。
個々の球のバラつきの許容値を、算出された平均値の許容値に流用。不適切

何故こうなるのか。

1) アグリーメントに0.4134の下限値がしめされている。これは平均値である。個々のバラつきがあるのは当然だが、その許容値はしめされていない。だから機構側が具体的数字をしめすのは困難だった。あるいは、
2) 検証の時に、平均値を算出するほかに、バラつきも検証してる。しかし、品質管理の情報がもれることをおそれるミズノに配慮して公表していない。

こんなことか。わたしは機構側の事務方には品質管理を理解している人がいると思ってる。その話しをする。ネット上である記事をみつけた。そこでこんな表をつくった。わたしは、このような基準が2013年のシーズン前に機構側とミズノのあいだで、ひそかに話しあわれたのではないかと思っている。

幻の基準との比較
比較下限値目標上限値
基準0.40340.41340.4234
幻の基準0.41450.415250.4160

これを解説する。目標値を、0.41525としてるが記事では、上限値と下限値のみがしめされていた。比較の便宜でわたしがつくった。これは、目標値を0.41525に設定する。それは「飛ばない」という批判にこたえ、上方に修正した。下限値、上限値は、個々の球を実測して算出する平均値の許容範囲である。個々の球のバラつきの許容範囲でない。こう解釈すると納得できる。さらにミズノとしては目標値を明示して無用な負担をさけたい。そのため、たんに 許容範囲のみをしめした。これも納得できる。

ところが、冒頭にしめしたように、抜き打ち検査で上限値0.4234を上まわる0.426だった。ミズノを指導した結果、今度は0.416とう値だから合格という。何もかわってないみたいだ。ひそかな動きはひそかなまま、かくれているのかもしれない。それに、とぶようにする、という話しがあったが、結局、基準はかわらなかったのか。

思うこと

わたしは、正規分布、標準偏差などは教養として学んだ程度である。ミズノの約束をこの考えで解釈するのはわたしの見当違いかと心配になった。専門家がどうみてるのか、あらためてネットをしらべた。二点みつけた。

一つは、目標を下限値にすれば、正規分布曲線から、製造した球の半分くらいは下限値を下まわる、と指摘した。大量の製品を製作すれば、個々の製品の値が正規分布となる。この品質管理の考えをふまえた見解である。安心した。そのとおりだ。

あと一つである。一試合平均のホームラン数とそのバラつきをしらべてた。するとホームラン数が11年をさかいに激減したが、バラつきも減少したと指摘した。下表のとおりである。
一試合あたりの平均ホームラン数の標準偏差の推移
0607080910111213
標準偏差0.170.190.270.170.260.140.090.16


これは以前の四社が供給していた体制からミズノの一社体制になった中で品質管理が向上したと指摘した。品質のよい、バラつきのすくないボールを提供できた、と評価している。標準偏差の値を算出してまで説明してくれた。この二つの記事はいずれも、2013年、ボール変更の事実が発覚したほとんど直後にかかれたものである。品質管理の専門家は関心をもって、みてた、というわけである。

機構にも品質管理の考えを理解する人がいるようだが、どうして今回の対応になるのかな。専門家がいっても、かわらなかった。わたしがいっても、かわらない。そう思うが、やはり簡単にいっておく。専門家をいれて、バラつきまでふくめて実施上の基準をつくる。そして検査をした方がよい。

関連リンクhttp://atac2012.blogspot.jp/2013/06/blog-post.html

後日の追記である。もう昔の話だが前のコミッショナーを強く批判した調査報告書が公表されている。これを紹介する。法曹界のかたがたが作成した。反発係数の法的根拠を説明したくだりは非常に参考になった。指摘はするどい。しかし残念ながら品質管理の理解が不足してる、と思う。

調査報告書


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