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カルタゴ戦争、序論、カルタゴの栄光(簡略ロ歴) [英語学習]

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* 内容の紹介
カルタゴ戦争の説明にさいしてカルタゴをのべる。ローマにとっての意味、その歴史、都市の防衛、港の機能をあつかう。
(Prelude to the Punic Wars - The Grandeur of Carthage - 21、Historyden)

* ローマの歴史におおきな影響をあたえた戦争
今回からカルタゴ戦争の説明をはじめる。これはローマとカルタゴとの戦いである。百年以上もつづいた。これは三つにわけられる。その一の前半は陸。その後半は海でのたたかい。その二は全部が陸。イタリアの戦いである。その三は城攻めである。これらすべてをのべる。その一にうつる前にカルタゴについて二回にわたりみてみる。古代の歴史においてカルタゴ戦争は有名である。ローマの歴史をかたる時に常に最初にかたられる。国際的なひろがりをもつ。おおくの市民、軍人、多数の戦艦を巻きこむ。すぐれた将軍たちが登場する。さまざまな戦いにおける戦術はいまもなお研究の対象である。ローマの歴史におおきな影響をあたえた戦いである。カルタゴはどこにあるか。

* カルタゴの所在
まず地理。地中海をはさんでイタリアとむかいあうアフリカ大陸の北端にある。東にイタリアがありその西端の西にシシリー島がある。その西に海をはさみカルタゴがある。その北方にサルディニア島とコルシカ島がある。カルタゴの初期における勢力のひろがりである。東はラペス・マグニからアフリカ大陸の北端部を西にゆく。その首都をすぎさらに西のティンギスにいたる。地中海をはさみ北、イベリア半島沿岸から東の一帯におよぶ。地中海にうかぶバリアリック島やその東のサルディニア、コルシカ、シシリーの島々にもおよぶ。たいしてローマはイタリア半島全土、北限はゴールズにせっする。

* 地中海に拡大するローマ、カルタゴと衝突へ
カルタゴは航海の民でありローマはほぼ陸上に限定される。ローマが南部のギリシャの都市を征服した経緯であきらかになったようにギリシャとの関係からたがいにしることとなった。その最初の衝突の場所はシシリーである。これはまさに地中海の真んなかにある。もし地中海の支配をのぞむならシシリーを支配せねばならない。この島はおおくの港をもつ。もしローマが世界の強国となることをのぞむならシシリーにあるカルタゴの勢力を排除することが必要となる。

* カルタゴの成り立ち
まずカルタゴの成り立ちである。それは古代のフェニキアからはじまる。その首都はタイヤである。ヘロドタスによれば紀元前二七五〇年に創設さたという。これは現在のレバノンにある。このフェニキアはほとんどエジプトの初代ファラオの時代とおなじである。フェニキアとエジプトは何度もたたかった。シシリー、アフリカ大陸北端、サルディニア、クリート(クレタ)という交易の最初のルートをフェニキアがつくった。彼らの富の源泉は貿易であった。

紀元前九世紀、タイラによりカルタゴが創設された。最初はちいさな商業活動の拠点であった。約千人の定住者がいた。ダイドウは神話のなかの創始者である。古代の年代記によれば彼女はタイヤの王族の一人である。彼女は自分の夫をころした兄弟からのがれてここにきたという。紀元前七世紀、カルタゴは地中海の重要都市でありフェニキアの首都タイヤよりも有力だった。ローマの伝説上の創始が紀元前七〇九年である。つまりローマがまだ無名であった頃にすでにカルタゴは有名な都市であった。

* カルタゴの発展
タイヤより有力だった理由の一つは、その地理的重要性。カルタゴはタイヤのように周辺の脅威にさらされなかった。紀元前五七四年、タイヤはバビロニアに侵略された。その数百年後にはアレクサンダー大王に侵略された。このような侵略にあうことなくカルタゴは繁栄し巨大勢力となった。フェニキアとおなじようにカルタゴも海をみてた。フェニキアが設立したおおくの都市、商業活動の拠点をうばっていった。カルタゴ独自の発展をもちながらも、なお共通する文化をもち、おなじ神々をしんじ王族を共通にした。それは後年には共和制にとってかわられた。

* 三重の壁、要塞化したカルタゴ
当時のカルタゴには三つのおおきな壁がたってた。それは巨大な石でたてられてた。これらは二度の城攻めにやぶられてまだもちこたえることができる。この壁の断面図をみればわかるが最初の壁から最後の壁にうつるにつれ壁は高さをます。最後の壁の高さはほぼ五十フィート。その厚さは三十フィートにもなる。そこには二万の兵士がはいる。これは四つのローマのレージョンの規模とおなじである。四千の騎馬がいる。三百の象もいる。まるで砦である。内部には兵舎、馬小屋、象のための小屋がある。

さらに、資材、水が大量にそなわってる。壁の下には水槽がある。部隊はこの水をのむことができる。だからカルタゴを壁の外に追いだすことは極めてむずかしい。この壁のなかにいる軍はそこですべてのものをまかなうことができる。この壁の構造を上からみる。同一の形状をしてる。これはどの壁の上からも矢、槍をなげてもおなじ角度で敵を攻撃できること。敵を複数の方向から集中攻撃できることでもある。

最後の壁のうえにテラスがある。三十フィートの幅がある。これにはおおくの兵をおくことができる。それぞれの壁には溝がほられている。その長さは百フィートもある。敵はこの溝を這いあがると、そこに攻撃の矢がとんでくる。またカルタゴは最初の壁でふせげなければ第二の壁、それもふせげなければ最後の壁とまもりをかさねる。敵がここまで到達したとしても、その体力を消耗してしまってる。

* 港、三百五十の商船隊基地
カルタゴの都市をまもる壁の延長は二十マイルになる。この三重の壁は西側のみである。東側は一重の壁のみである。それはその海岸線が剥きだしの岩でできてる。このおかげで西側ほどに厳重な備えは必要ない。その最盛期のことである。地中海には彼らは三百五十の船をもってた。航海からもどってきた船は港にはいる。この港は独特の形状をもつ。外海からはいると長方形の海面がひろがる港、その奧につながってまるい港がもう一つある。この港は特徴がある。海面が中心部の円形の土地をかこむ。海面が一定幅の円周をなす。長方形は商船隊、まるいほうは海軍の船がはいる。これらの二つ港の入口は鉄の鎖で閉鎖できる。これは古代の無二の施設、工学の驚異である。そこにあるドックのことである。中心の円形にあるドックは四十、外側の円の内側には百のドックがある。

* 港、商船をまもる海軍基地
これらの諸施設はすべて壁にまもられてる。カルタゴの防衛はその海軍による。海軍の防衛の目的はカルタゴ商船隊である。これがカルタゴの生命線である。この円形の内港は機能的である。敵にただちに立ちむかえる。この備えと三重の壁によりカルタゴはほとんど難攻不落となった。では次回に軍事的、政治的仕組みについてのべることにする。

(おわり)

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