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ローマのレージョン、その四、野営(簡略ロ歴) [英語学習]

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* 内容の 紹介
ローマの発展期、軍は常に移動する。それをささえる野営の姿、指揮命令系統についてのべる。
(Ancient Rome History - Part 4 Roman Legion - The Camp - 05、Historyden)

* 野営、指揮命令、共和制前期までの姿
今回はローマの野営の方法と指揮命令についてのべる。対象の期間であるが共和制の後期(紀元前一〇七年から八〇年)、帝制の前期(三〇年から紀元二八四年)と後期(二八四年から六四〇年)のレージョンについては後にのべる。まず指揮命令である。

* 市民兵、すべてをかつぐ兵
命令がおよぶ下からのぼってゆく。ローマのレージョンの中核は重装歩兵である。彼らには厳格な規律がある。常にローマのためにたたかう市民。非職業軍人である。これを記憶しておく必要がある。ローマの兵は自重の半分にもなる武器、装備をはこぶ。これはおどろくべきこと。そのように訓練されてる。作戦行動の期間はこの重量にたえどこにでも移動する。すべての機材備品、くわえて野営に必要な備品、野営地を防備する木柵、野営に必要な機材備品もふくまれてる。もちろん武器、装備もふくまれる。イタリー、アフリカ、近東のどこにも出かけ雨、雪、どのような天候でもでてゆく。非常に頑強で忠実な軍隊である。

* 下士官、旗の持ち手
そのうえに将校がくる。ひくい階級で兵とともに戦いに参加する下士官である。旗をもつ。旗はたかい柱にかかげる。鷹、狼、牡牛、馬、牡猪の旗などがある。すでにのべたが最終的には鷹の旗に集約した。

マナプルもレージョンもそれぞれを旗がしめす。持ち手は動物の頭の皮をかぶってる。他の兵にまざっても目だつ。旗はその隊の一体性を確保する。兵は戦いのなかでいつもそれをみる。さらに戦闘態勢をたもつのにも役だたつ。戦いのなかでその旗がなくなる。あるいは敵にうばわれる。これは最悪の事態である。なにがなんでも取りもどさねばならない。この後にレージョンの旗がうしなわれた例がある。後にのべる。センチュリアンである。

* センチュリアン、サブセンチュリアン
一つ上の階級。現在の大尉。彼らは通常百人のセンチュリーを指揮する。またその下位のサブセンテリアンがいる。彼らは通常はマナプルの後にひかえ彼らの隊を正常にたもつ役割がある。次にその一つ上の階級である。トリビューンという。

* トリビューン、レゲット
この階級にあがる。ローマの将校にはおおきな名誉である。通常は四から六のレージョンに一人。もし将軍が不在なら彼らが交替で職をつとめる。さらにその上の階級はレゲットである。これは将軍と同等の階級である。

* 将軍
ローマの将軍はすべてのトリビューンより上位にいる。さらに重要なのはしばしば元老院議員をつとめることである。彼らは政治的な将軍である。ローマ人は政治家と軍人のあいだに特別な区別をつけなかった。元老院議員をつとめながら将軍をつとめる。これは異例でない。現在ではみとめられないがローマではうまくいってた。

* 執政官
執政官(コンサル)についてである。彼らはレージョンを指揮する。その定員は二人。もし一つの戦争がおきる。二人の分担である。二十四時間で交替する。当番でない一人は当番の命令にしたがう。二十四時間がたつ。すると当番が交替する。この仕組みの弱点をハンニバルに利用された。彼はより能力のおとる指揮官が当番の期間をねらった。

:執政官は政治的にえらばれる最高位の官職である。また政治家であり将軍である。彼は非常に貴重なむらさきの外套をきる。また非常に目だつ馬にのり幾人かの僧侶(レクター)に随行され、また随員が同行する。

* 勝利の行進、むらさきの外套
作戦に成功した:執政官である将軍は勝利を元老院がみとめる。ローマの行政府までの勝利の行進をする。そこで将軍はむらさきの外套をきて二輪戦車にのりすすむ。むらさきの色は非常に貴重なものだった。それは海にすむ貝から取りだす。染料とするには大量の貝が必要。そのため貴重なものである。

* 将軍の権限
さてローマの境界から数マイルをこえると将軍は絶対の権限をもつ。兵士、将校の生殺与奪奪の権限をもつ。その処罰はたびたび苛酷であった。兵は棒や棍棒でうたれ時には十字架にはりつけられた。それは上官への反逆、適切なう命令への違反は死刑になりうる。戦闘中の離脱はきびしく賞罰された。マナプルの戦線離脱、あるいはその一部もきびしく処罰された。どのような賞罰をくだすかは執政官にまかされた。数個のマナプルが離脱した場合は次のような苛酷な処罰がかされた。十人にわけられて籤をひく。もしあたると、その者は他の九人により棒で死にいたるまでうたれる。

* 厳格な規律の尊重
これでわかるよううにローマでは厳格な規律がもっとも尊重された。ここで付記するが将校もこの罰をまぬがれない。しかしこのような処罰がおこなわれた例である。共和制時代には極めてまれだった。しかし軍隊が職業化してゆくにつれ例がふえた。兵が戦いにおいて勲功をあげると莫大な賞があたえられた。贈り物、土地、税の減免である。ではローマの野営についてである。

* ローマ軍の野営
ローマ軍は常に移動する。彼らは進軍をこのむ。野営はさらに敵地ふかく進軍するための力をあたえる。彼らの野営の方法は常に規格どおりである。同時期のレージョンの野営地は区別がつかない。そうしてまた進軍をする。疲れをしらない。それは常に要塞化されてる。最初のものをすこしづつ修正し完全なものにする。常に兵と資材、備品の保護が優先する。戦場で戦いをおえて野営地にもどれば休息できる。食事できる。このため敵の戦線からずっとはなれた場所に設営される。ローマの野営なら数ヶ月から一年にもわたる戦線の維持も可能だが、敵側は数日の野営の能力しかない。

* 野営地の選定
日常的に野営する姿がある。巨大な野営地をつくる。そして進軍する。その夜、また野営する。大量の労働力を投入する。野営地を建設する時の最大の注意点は敵の不意打ちである。進軍にさいしてまず斥候をおくる。それで適地をえらぶ。極めて慎重にえらぶ。理想の適地は水、食糧、木材の供給が可能な場所である。さらに高地に所在する。これにより近づく敵を察知できる。さらにちかくに敵がいないことをたしかめると建設作業を開始する。

* 規格どおりの建設作業
建設は時計仕掛のように正確にすすめる。おのおのの兵は自分たちにあたえられた仕事をしってる。今どの部分をやってるかをしってる。兵はおなじ場所にゆきおなじ仕事を受けもつ。それが訓練の一部でもある。このような繰りかえしが同じ設計図おなじレージョンおなじ時期においておなじ野営地をつくる。通常は正方形で一つのレージョンがはいる。時にはそれよりも小規模なものもある。それが長方形となると複数のレージョンのものとなる。これも従来の作業の繰りかえしである。

* 溝と壁、小都市の建設
壁と溝は最初に建設する。内部の建設は最後にやる。建設の兵は溝をほり柵をたてる。これで敵の侵入をふせぐ。これらの柵に必要な資材は兵あるいは驢馬がはこぶ。すべての野営地には四つの門がある。敷地には幹線道路がはしる。通行に支障がないよう配慮する。その幅はひろい。中央には指令所がある。そこに司令官、執政官、もし彼が不在ならそれ以下の将校がはいる。ここには犠牲をまつる祭壇がある。ローマの神々を安置するところもある。兵がやってきて祈りをささげる。資材、穀物、肉を保存する区画がある。そこには管理の兵がいる。別の場には武器を保管し馬、驢馬をつなぐ場所もある。おおくの将校、兵がテントにすむ。テントのひろさは十平方フィートである。つまりちいさな都市である。

* 野営地の警備
レージョンに必要なものがすべてそなわってる。野営地の周囲には監視塔をおく。それらは敵が襲来した時に複数方向から矢をいることができるよう配置する。また監視塔には投石機が用意され敵に大量の投石をふらせる。基本的な野営地にはすべて二十四時間の監視体制をとる。各門には門番がたつ。周囲を警戒する巡回の兵もいる。一つの巡回ポストは通常四人がいる。一人が巡回するとのこり三人が待機する。おもな道路を清掃し維持管理する兵もいる。上級将校の敷地を警護するのも兵の任務である。警護中の居眠りは厳罰にしょせられる。

* 夜、朝の仕事、戦いの整列
それは敵の不意打ちをゆるし野営地を危険にするとかんがえた。夜に野営作業がおわると資材、食糧と水をあつめるため人を派遣する。馬や驢馬のための飼料もあつめる。さて朝になる。通常、命令が木の板によりしらされる。もし攻撃命令があったらむらさきの外套が司令官のテントの外にかかげられる。レージョンは門のちょうど外で整列する。負傷の治療にそなえるためローマは野営地のちかくでたたかうことをこのむ。

* ギリシャ王の評価、移動から定着へ
ギリシャの王、パイロスの逸話である。彼はアレクサンダー大王の後の偉大な王である。南イタリーでローマと遭遇した。彼はローマが拡大してゆくのをふせごうとした。ローマをそれほど評価してなかったという。ローマを文化水準のたかくない民族とみてた。彼がとおくからローマの駐屯の様子をみた時。衝撃をうけたという。複雑につくられた野営地と整然と進軍するローマ兵の姿をみてローマとの戦いはけっして楽観できないとかんがえた。もう一つである。

ローマの拡張期の野営では壁は木の柵でできてた。これを兵や驢馬がはこんだ。ところがローマの発展期がすぎ安定期がやってきた時、石でつくるようになった。これは彼らがそこにながくとどまるようになったことを意味する。

(おわり)

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