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ペロポネソス戦争、その十二(簡略ギ歴) [英語学習]

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* 内容の紹介
アテネ帝国にほころびがみえた。アテネがセイモス、ペロポネソス同盟がマイリーダスにいて、たたかう。その頃にアテネの民主主義が変容してゆく。その姿をあつかう。
(Ancient Greek History - Part 12 of the Peloponnesian War - 28、Historyden)

* はじめに、アテネ帝国のほころびから
前回、アテネ帝国がかかえてる脅威についてのべた。まずキオスの反乱、これがきっかでレスボスとマイリーダスに反乱が波及。その鎮圧のためキオスに城攻め、レスボスでは鎮圧に成功。マイリーダスでは失敗。このためマイリーダスはペロポネソス同盟の拠点となった。他方アテネはセイモスに軍事施設をおいた。アルソバイアデスはペルシャににげた。スパルタが彼の処刑をめいじた。彼はアテネへの復帰を画策しはじめた。で、これからが本題である。

* アルソバイアデスがセイモスに接触、共鳴するスラシビュウラス
彼はセイモスのアテネ人と接触。彼の作戦はアテネの政治を貴族政治によせる。これでペルシャの賛同をえる。これには支配層の市民がペルシャにつよい反発。だが島内には彼の話しをきく人たちがいた。

他方アテネの民主主義はまさしく危機にあった。シシリーでの大敗、エーゲ海での敗北。これが助長した。また長期の戦いによる厭戦気分もそう。このような状況が民主主義に反対する人々に好機となった。一世代前にはかんがえられなかった策謀が現実に浮上する。アルソバイアデスがセイモスに共鳴者をみつける。スラシビュウラスである。アルソバイアデスは民主主義者だったが彼は穏健な民主主義者だった。だからアルソバイアデスよりはペルシャになじみやすかった。アルソバイアデスはペルシャとアテネの関係を修復すると約束してた。彼はペルシャの州長官、ティシファンズに特別な関係があるとセイモスのアテネ人に示唆してた。実は彼はこのことをまったくしらせてなかった。また特別な関係をもってもいなかった。しかしアテネ人たちはこれをしんじる気分となってた。ただし将軍として赴任してたフォレネカスはただ一人しんじてなかった。彼の言動は自己の利益に起因するとみてた。

* むなしいフォレネカスの警告
またペルシャがアテネと同盟関係にはいるともしんじてなかった。しかしアテネ人たちは彼の言葉をきかなかった。そしてアテネの民主主義をくつがえそうと動きだした。フォレネカスはアルソバイアデスはここで二枚舌をつかってると見きわめた。しかし事態をアルソバイアデスがうごかす。これには手をださない。しかし秘密にマイリーダスにいるアステヤカスに手紙をおくった。彼が二枚舌をつかい交渉すすめてる。スパルタの信用をおとし他方でアテネに復帰を画策してるといった。

アルソバイアデスが今はペルシャの保護下にある。これにアステヤカスは何もしなかった。しかしペルシャにアルソバイアデスの目的を暴露した。ティシファンズが激怒し彼をまったく信用しなくなった。アルソバイアデスはアテネ人たちにフォレネカスがスパルタに連絡したことをもらし彼を処刑すべきとうったえた。しかし彼はアテネの将軍。手をだせなかった。フォレネカスはセイモスに要塞をきづいた。これでペロポネソス同盟の攻撃にそなえた。

* セイモス使節団がアテネに要望
やがてセイモスからアテネ人の使節がやってきた。アルソバイアデスの復帰を要望。またツキジデスがこういったが修正された民主主義、貴族政治の復活をもとめた。当初はつよい反発があった。しかし同調者もいた。パイセンダだった。アテネでも彼らの話しをきくようになった。フォレネカスは司令官の職をとかれた。

* アテネからペルシャに、実情をしる
キオスはなおも海と陸から封鎖されてた。飢餓が都市内に発生した。またペロポネソス同盟に助けをもとめた。ツキジデスがいう。ペロポネソス同盟もキオスの救援の必要性を深刻に受けとめた。

パイセンダ他の派遣団がアテネからペルシャの宮廷にやってきた。そこでアルソバイアデスとティシファンズと話しあった。すぐわかったことだがティシファンズはアテネと同盟関係にはいるのには熱心でなかった。またアルソバイアデスがいうほどティシファンズとの関係がふかくないこともわかった。派遣団がセイモスにかえった時にはアルソバイアデスの信頼がおちていた。

* ペルシャがペロポネソス同盟に支援
ティシファンズにはアテネと同盟関係にはいりたくない理由があった。彼は強大さをますペロポネソス同盟の力をおそれた。それはアテネ以上だった。しかし彼はアテネがペロポネソス同盟をたおすことに手だすけするつもりもなかった。それでティシファンズはペロポネソス同盟に補給の再開を約束した。さらにその海軍にフェニキアの艦船を提供することも約束した。しかしこれも空約束となったことが後でわかる。

* 帝国内の反乱の動き
アテネの近くにもどる。ビオーシャがオラプースをアテネから引きはなした。ユバウアもまた反乱の動きをみせた。ペロポネソス同盟はユバウアは放置しキオスに集中することとした。すでにのべたがロウズも反乱の動きをみせた。しかし彼らはロウズを城攻めしてるアテネの艦船にはかかわらず通りすぎていった。

* 同盟がアテネの生命線をおびやかす
マイリーダスのペロポネソス同盟はアテネを刺激することにした。穀物の供給ルートにあたりアテネの生命線であるヘルスポントに問題をおこすことである。ペロポネソス同盟は小艦隊をヘルスポントにむけ、セストスをうばった。そして守備隊をおいた。これはアテネにとって危機である。しかしアテネ海軍にはすべての場所に配備する艦船はない。

* パイセンダのおだやかな民主主義
パイセンダのことである。ペルシャにつめたくされてセイモスについた彼だが、なおも革命の構想をかんがえ、これを主張した。これにはもはや信頼が低下したアルソバイアデスがふくまれてない。それをどうして実現するのか。二つの考えがあった。

アテネ政府そのものをたおす。二つ目は帝国の国々に貴族政治を復活させる。ところがおおくの周辺都市は貴族政治の復活は反対した。特にフェソスがつよかった。結局、成功しなかった。ところが最初の方法がアテネで成功した。パイセンダがアテネにもどった時、ツキジデスがいうところ、そこですでに変革がはじまってた。貴族政治を押しすすめる勢力は有力な民主主義の推進者でアルソバイアデスの反対者だった人々を暗殺してた。

* 四百人の 貴族政治、五千人のおだやかな政治の考え
パイセンダは提案した。四百人に権威をあたえる。彼らは絶対的権力をにぎる。この支配をおこなう四百とは貴族政治の支配者である。この四百にはもう一つの集団をもつ。五千とよぶ。四百がこの五千を支配する。この五千は穏健な政府ともいえる。これは貴族政治と民主政治の混合したいわば中間的なものといえる。

* アテネの民主主義のおわり、平和への努力
さてこの四百が政治を執行する場所、役所にやってきてそこの役人に給与を支給し解雇した。この作戦は成功。四百は権力をうばった。これにたいする反発、暴力事件が予想されたが特におきなかった。かくして百年あまりつづいた民主制がここに終了した。このような革命がおきたにもかかわらず、なもも戦争がつづいてることにかわりはない。四百は何人かの市民を処刑あるいは投獄した。彼らはこの政策に反対した。かって貴族政治をおこなったパイシストラテスという人物がいる。たぶん彼の寛容さにまなぶべきだったろう。彼は百年ほど前にアテネで専制政治をおこなった。それはともかくこのような流れをつくったアルソバイアデスはまだよばれない。

四百はまた戦争を終結する方策を探しはじめた。和平提案をスパルタにおくった。それは現状を維持し帝国もこのまま維持する。この基本にもとづくものだった。しかしスパルタは有利な立場で交渉しようとした。あたらし都市の獲得をねらった。彼らは占領してたデッセリアからアテネにむかった。ここはアルソバイアデスが助言したもの。銀鉱山がふくまれてた。そこからアテネをまもるながい壁にやってきた。彼らは混乱を期待したが厳重に防禦されてるのをみて何もせずかえった。

* アテネの四百とセイモスの対立
さて四百はもう一つのおおきな問題をかかえてた。セイモスにおける民主主義は四百の 貴族政治によって転覆できなかった。彼らが反対した。その中心にアテネ軍がいた。民主主義をつよく支持し四百への憎悪をしめした。今は海軍は弱体化してるものの、なお海上で支配力を維持してる。またペロポネソス同盟が対決をさける。その姿勢をかえてない。四百が派遣団をセイモスにおくり合流するようもとめた。また政治はおだやかな貴族政治であることも説明した。しかしセイモスのアテネ軍はただちに拒否した。

* 民主主義をまもるセイモス
これからセイモスはアテネ帝国を維持し民主主義をまもるといううえで鍵をにぎる存在となった。セイモスにいる将軍たちは四百にたいし反対をあきらかにした。彼らはまずアテネの四百を敵とし、もう一つはちかくのマイリーダスを敵とした。彼らは自分たちの立場が相当堅固なことしってた。たとえアテネがうばわれてもセイモスはそれにおとらず強力な都市である。また彼らは大部分のアテネの艦船を支配してる。実際の力はセイモスにあってアテネではない。

* アルソバイアデスのセイモスへの復帰
もっとも著名な民主主義の指導者はセイモスのスラシビュウラスである。彼はアルソバイアデスを呼びもどしたいとおもってた。最終的にアルソバイアデスは貴族政治からよばれず民主主義からよばれた。セイモスの民主主義者は全面的な信頼をアルソバイアデスにおいた。さらに将軍にえらんだ。これがおどろくべき復帰である。

* マイリーダス、うごかないアステヤカスへの不満
マイリーダスでペロポネソス同盟はアルソバイアデスの復帰をしった。しかしうごかなかった。これはアステヤカスが臆病すぎるとの反発がペロポネソス同盟にうまれた。特に数において優位にある時にである。ペロポネソス同盟のおおくがアステヤカスの指揮に疑問をもった。また軍に給与がしはらわれてなかった。これはペルシャの約束違反である。内情である。おおくの乗組員たちは自由人である。つまり彼らは給与をうける存在である。これはスパルタの重装兵士とちがう。彼らは給与をうけず自らの義務をはたす。

* セイモスがとるべき行動、当面、アテネは無視
セイモスは次にどのような行動をとるべきか。議論がなされた。ある将軍は自らの海軍をすぐアテネにむけ四百を崩壊させる。アルソバイアデスはこれに反対した。この出動はヘルスポントとセイモスを危険にする。ペロポネソス同盟がやってくる。当面はアテネのことはほっておく。スラシビュウラスはアルソバイアデスに信頼があった。この考えをみとめた。アルソバイアデスがシシリーの侵攻を検討した時とおなじレベルにまで考えをすすめなかったということである。

* アテネ、四百からおだやかな五千に移行
アテネにおいてである。四百はセイモスからの圧力をひしひしとかんじてた。それでパイリアスの近くに砦をきづくことをめいじた。この建設は場合によればスパルタがここを占拠する。アテネ攻撃の拠点となる。これは戦争が終了する。パイリアスにいるアテネ陸軍はこれに気づき反乱をおこした。ただちに破壊した。ここを通過したペロポネソス同盟は砦が破壊されてることをみとめた。これからしばらく後のことである。四百の権力はうばわれ五千があたらしい政府をつくった。すでにのべたが五千は貴族政治と民主政治の混合体である。ツキジデスはこれをアテネの歴史でもっともすぐれた最善のものだという。ここにアルソバイアデスが正式に呼びもどされた。しばらくのあいだはすくなくともアテネは安定してた。

* マイリーダス、アステヤカスからメンドラスへの交替
マイリーダスではアステヤカスがらメンドラスにかわった。指揮官の交替であった。彼はペルシャの州長官の提案を受けいれた。ヘルスポントをペロポネソス同盟が奪取する。これを救援をすという。これをうけメンドラスはヘルスポントに七十三の艦船をむかわせた。セイモスに気づかれぬよう通過しヘルスポントにむかう。アテネの占領地に反乱をおこす。これが目標である。アテネはこの侵入を阻止できなかった。

* 同盟がヘルスポントに侵入
アテネはこの海峡にはいりたたかうこととなった。ひらかれた海上でたたかう。彼らが得意とする戦法がいかされない。紀元前四一一年、シノシーマの戦いである。アテネがヘルスポントにはいり五日間は何もおきなかった。しかし最後に両軍は海峡のもっともせまいところにむかった。そこで戦闘態勢にはいった。ペロポネソス同盟のメンドラスは左翼で指揮する。アテネのスラシビュウラスは右翼で指揮する。メンドラスは船足がもっともはやい艦船を左翼においた。これでアテネの右翼の後にまわりこむことをねらった。

* シノシーマの戦い、スラシビュウラスとメンドラスが対峙
ペロポネソス同盟はアテネより数で優位である。だから背後にまわられることは致命的だった。ペロポネソス同盟は八十六の艦船、アテネは七十六だった。戦いがはじまった。スラシビュウラスはメンドラスが自分の右翼の背後をつこうとしてるのに気づいた。自分の右翼を沿岸沖をすすんでひろげた。これを追いかけたがペロポネソス同盟が背後をつくことはできなかった。両軍は右翼、中央、左翼とそれに対応する編隊が対峙しながらたたかってる。アテネの中央と左翼の編隊である。これらはペロポネソス同盟に圧迫され沿岸のほうに追いやられた。この二つの集団は沿岸ちかくで対峙し、突出した岬により分断されてた。そのため別の集団の戦いはみえない。ここで中央のアテネが絶望的状況となった。アテネは岸に艦船をつけ上陸し拠点をきづいた。これをペロポネソス同盟もおっかけて上陸し戦いにうつった。ここは戦況をきめる大切な瞬間だった。

* アテネの勝利、だが温存された同盟の海軍力
もし他の二つがここに参入してたら戦況はペロポネソス同盟に決定的になったろう。しかし実際はちがう。スラシビュウラスが艦船の方向をかえ、よりひろい海域に移動した。これに応戦したメンドラスを撃破し勝利を引きよせた。さらにペロポネソス同盟の編隊の背後をついた。このため編隊はばらばらとなった。ペロポネソス同盟は逃亡にはいった。これでアテネの勝利におわった。しかしペロポネソス同盟も戦力は保持できた。それが後の二度の戦いにつながる。

(おわり)

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