SSブログ

英語がうまくなりたい(その2) [英語学習]

genpati_tyamise.gif

自然な英語をはなしたい

日本人は日本語的英語をはなしてる。だから自然な英語ではない。ところがそれが何に起因するのかわからない。そのまま違和感を感じながら相変らず日本語的発音をつづけている。ところが英語にはアクセントがある。

強く発音する単語(「強音の単語」ということとする)と弱く発音する単語(「弱音の単語」ということとする)がある。日本人は強音の発音は何とかできる。ところで日本語の発音は単純で、この強音、弱音の区別がない。そこで日本人は弱音の発音ができない。どれも同じように発音してしまう。弱く速く発音できないで一様に発音してしまう。母音も子音も強く響きすぎる。これは日本語に英語のような発音がないからである。

日本人の発音能力に問題があるわけではない。日本語が飛びかう通常の環境で英語を勉強すれば、この日本語発音の制約からのがれられない。それが重大な障害となって自然な英語ができない。その結果、速い日常会話についてゆけない。聞けない理解できない。まず、友人から紹介されたStricherz先生の英語教本の話しをする。本題への前提だ。まだなのか、と思うかもしれない。これまでの話しはわすれてもらってもいいが、ここからの話しは弱音をどのように発音するかの具体的な話しなので、我慢してつきあってほしい。表にまとめた。

Stricherz先生の本

口語英語変化の規則
事項 規則 説明
0) aan 弱音変化、[ə]というあいまいな音になる a -> [ə]、an -> [ən]]
do -> [də]、did -> [dəd]]
助動詞のhave -> [həv]
of -> [əv]、または[ə]、など
1) an_o 子音が移動する an orange [ən ornʤ] -> [ə nornʤ]
2) wi_t 子音が移動する which was [wiʧ wəz] -> [wi ʧəz]
3) tycha [t]+[j] -> [ʧ] That you [ðæt ju:] -> [ðə ʧə]
4) dydja [d]+[j] -> [ʤ] had your [hæd jɚ] -> [hə ʤɚ]
5) sysha [s]+[j] -> [ʃ] kiss you [ki's ju:] -> [ki' ʃə]
6) zydja [z]+[j]->[ʒ] has yet [hæ`z je't]->[hæ` ʒe't]
7) ptk 無破裂音 stop that [sta'p^ ðæt]。[p^]は[p]とちがい、最後で息が破裂しない。それだけ速く発音できる。
8) glt 声門閉鎖音 that one [ðæ'? wən]。[?]は左右の声帯の間にある息のとおるすきまを一時的に閉鎖して発音する。[t]より速く発音できる。
9) mm 同一子音の時、音が省略移動する some milk [səm mi'lk] -> [sə mi'lk]
10) things I [s]+[θ] -> [s] boss thinks [bɔs θi'ŋks]->[bɔs_ si'ŋnks] 。「_」はつづけて発音するという意味。それだけ速くなる。
11) thisz I [s]+[ð] -> [z] kiss those [kis ðo'uz]->[kis_zo'uz]
12) things II [ʧ]+[θ] -> [s] which thing [wiʧ θi'ŋ] -> [wiʧ_si'ŋ]
13) thisz II [ʧ]+[ð] -> [z] watch those [wɔ'ʧ ðouz]->[wɔ'ʧ_zouz]
14) thisl [l]+[ð] -> [l] will those [wil ðo'uz]->[wil_lo'uz]
15) thisn [n]+[ð] -> [n] when this [wen ði's] -> [wən_ni's]
16) tan [n]の後ろで[t] がおち[N]となる plenty [ple'nti:] -> [ple'Ni:]
17) dan [n]の後ろで[d] がおち[N]となる sounding [sa'undiŋ] -> [sa'uNiŋ]
18) tadal [l]の後ろで[t]や[d] がおちる salty [sɔ'lti:] -> [sɔ'li:] building [bi'ldiŋ] -> [bi'liŋ]
19) ere 中間音消失 chocolate [ʧɔ'kələt] -> [ʧɔ'klət]
20) t2D [t]が[D]となる butter [bə'tɚ] -> [bə'Dɚ]。発音が円滑となる
21) d2D [d]が[D]となる pudding [pu'diŋ] -> [pu'Diŋ]。発音が円滑となる
22) syn 音節子音 student [stu':dənt] -> [stu':d^n,t]。 「d^n,」の表記は、[d](または[t])は破裂せず、舌が口腔の上に接したままで音節子音を発音すること。発音が速くなる。
23) syl [N]や[D]の後ろに[l]がつづく時の音節子音 channel [ʧæ'N l,] -> [ʧæ' Nl,] little [li'D l,] -> [li' Dl,]


説明する

これはアメリカ口語英語である。キングスイングリッシュでない。日常の会話においては、われわれが学校で学習した英語とちがう英語がつかわれる。この本は日本人が日常会話を聞きとるためのものである。すぐ気づくと思うが、相当変化する。慣れだけで習得は無理である。教本と実際の発音を聞くための音源がある。とにかくやってみた。音を聞く。代名詞のhe、she、you、助動詞、will、would、should、have、hasなど通常は弱音である。速い英語では聞き取りが困難だ。正答をみて、音の変化を推理しても、理解しがたいものもあった。発音してるはずだが、聞こえなかったもの、再度確認しても、なおあると思えないものもあった。

聞きとれないなら、まねられない。ついてゆけない。で、どうするか。聞きとりと発音の能力は関連する。聞きとる。まねる。この繰り返しをやりとおす。すると両者の能力は向上する。これがわたしの結論である。この繰りかえしが自然な英語への王道である。一番大切と思うことは、いってしまった。当たり前で秘訣などというのでない。では、こからわたしの秘訣がはじまる。

まず、まねてみた

この表をみて気づいてほしいが、24ある規則のすべてが速く発音するための合理的変化といえる。規則20)や21)はなめらかに発音するための変化といえる。弱音変化は、母音が[ə]の音になる。これは力をいれない舌の構えである。やはり速さに役だつ。まねてると合理性が実感できた。この時の話しだが、いつの間にか弱音の発音ができていることに気づいた。弱音発音の秘訣である。

弱音は強音に従属する

自然な英語では弱音を単独で発音しない。強音の発音に際して、その前後にくる弱音を発音する。その説明である。英語の息の使い方は日本語とちがう。たとえ話だが、ゼロから立ちあがり頂上をへてまたゼロにもどる。日本語は子音、母音が基本単位である。子音が発音され母音にうつる。この変化は、いわば頂上部分だけがある。裾野がない。そこで弱音の発音である。冠詞と名詞を発音するとする。冠詞、aとかtheは弱音である。その後の名詞が強音である。ここで弱音は強音を発音するための息をつかう。息がまだ裾野にある時に発音する。このような発音の仕方は日本語にはない。この後に弱音、inとかtoがつづくとする。すると強音発音の息がゼロにちかづく裾野の部分で、この弱音を発音する。この時、日本人の意識では発音したという意識がはたらかない。このような発音の仕方をする。

つまり日本語には英語のような強弱をふくむ発音単位(おそらく複数の音節からなるのだろう)がない。だから日本人には発音できない。必要なワザとしておぼえるべきだ。まだ秘訣がある。

舌の構えである。発音記号の [ə] は曖昧母音といわれる。舌に力をくわえず、自然にしておくとでる音である。これが舌の基本の位置である。ここから発音がはじまり、おわる位置である。日本人の意識をふまえて説明すると次のようである。発音の時にできるだけこの位置、ə舌の位置をたもつ。つまりうごかさない。このような意識でまねてると、日本語の舌のうごかし方とちがってることを実感する。速い発音の中で変化する音をまねてるうちに、今まででなかった音がでるようになった。自然な英語を実感した。

ついてゆけてない

まねてるつもりで、まねきれない。それはついてゆけない、という結果でかえってくる。どうしてか、どこでついてゆけてなくなったのかを考える。たとえば、1)のreductionだ。おおくに[ə]の音が登場する。ə舌の構えを思いだして、注意する。これで一瞬だが速くなる。語尾と語頭の子音がつながる。これも速くなる。「t」や「d」の音が日本語にない、へんな音[T]や[D]に変化する。次の音節への移動が楽になる。つまり速くなる。規則で説明したことだが、こうして一つ一つつぶしてゆけば、自然な英語にちかづく。

リズムが大切、強音に注意

弱音がどうしてもまねられないと悪戦苦闘した。その時に気づいたことだ。その弱音より、前後の強音に注意した方がよい。これをちゃんと発音してないので弱音が発音できなかった。疑問文では最初の単語に強音がくる。whenとかdoやdid、be動詞など通常弱音になる。これを強音として発音しなければならない。

例題から説明する

Stricherz先生は問題集をだしてる。ここには、1200をこえる例題がある。わたしはこれをひたすら、聞き、まねている。そこでいくつかの解答例を紹介する。なお、右側が正答である。

1) 奇妙にひびく

he ___ ___ pair of yellow boots -> he got a pair of yellow boots.
[ ... per ə jelou ... ]と聞こえる。
(phrase、cloze practice 2、9)

the ___ ___ was left over -> the one that was left over
[wən els] としか聞こえない。これは、thatが前のnをうけて[n](規則の14)、thatの「t」が[D]、[l]と似る(規則の20)。こう説明できるだろう。
(同上の9、12)

Help her ___ ___ thing. -> Help her lift that thing.
[ ... lu:s ðat ... ] としか聞こえない。これは「lift」の「f」を[s]と聞きまちがった。「t」は次の「thing」の語頭とつながって聞こえなかった。こんな説明しかできない。
(sentece、cloze practiceの13、12)

___ ___ that get broken? -> When did that get broken?
[ weNə dət get ... ]と聞こえた。これは、whenとdidがひっついて、「d」がおちる(規則の17)。「did」の語尾とthatの語頭がひっついて[d]に変化する。こんなことか。
(sentence、cloze practiceの17、1

2) 強音に注意してまねる

___ as fast as he could -> running as fast as he could ^ ^ ^
このような細かな音節がつづくとついてゆけなくなる。充分な息ですこし時間をかけて、強音を発音しないと、円滑に弱音が発音できない。
(phraze、cloze practiceの4、2)

___ ___ be able to go if -> will he be able to go if
(phraze、cloze practiceの4、5)

John's the ___ ___ mentioned to you.
-> John's the one that mentioned to you.
同上だが、特にJohn's とoneをちゃんと発音しないと、その後のtheとthatがむづかしくなる。
(sentcnce、cloze practiceの3、12)

3) まねようとしても、よく聞こえない

who ate the ___ ___ was -> who ate the apple that was
thatがほとんど聞こえない。正答があるので耳をすますと、aplleの「l」の発音がすこし長いように感じる。thatはtheとの区別がつかないこともある。
(phrase、cloze practiceの10、10)

He had ___ ___ with his car. -> He had a problem with his car. 「problem with his」が [probm təs ca:]のように聞こえる。problemのreductionがひどく、withの語尾が[t]として残ってるのかもしれない。withは、ほとんど聞こえないのもあった。
(sentece、cloze practiceの3,2)

Did they ___ the instruction?
-> Did they understand the instruction?
[did də əNəstaN ə strʌkʃən]と発音してるようだが、まず強音をきちんと発音しないと弱音がむづかしい。とてもまねられない。さらにthが[n]に変化、dがおちたり、表の規則にある変化がいくつもふくまれる。何故、こんな発音になるのかを理解するのもむづかしい。
(sentence、cloze practiceの3、8)

4) 聞きわけられない

the <-> a
the <-> their
you <-> she
will <-> would
......

このあたりにくると、純粋に音を聞くだけで、聞きとることはむづかしい。文法や語彙の知識も必要となると思う。

これからのこと

文法、語彙は、さておき、ひたすら、聞いてまねることを繰りかえしてる現状がこれである。ちなみにyoutubeの動画、Sherlock Holmesの「Sign of Four」を聞いてみた。Holmesのところに相談にやってきた女性が、失踪した父の事件を説明し、それ以降におきた不可解な出来事をかたるところは、ほとんど聞けた。これは英語である。米語でないので聞きやすかったのだろう。でも成果があった。さらにこの女性に恋心をいだいたWatsonとそれを憎からず思っている女性が辞去する場面である。「Au revoir」というわかれの挨拶がかわされた。それぞれの発音が微妙にちがっていた。心憎い演出だと感心した。

Stricherz先生の問題をやって成果を実感する。でも不安もある。まだ何かありそうだ。「英語喉」という考えを提唱する方がいる。これは面白いと、とびついた。まだ勉強中だが、だいぶ整理ができてきた。英語の学習法として試した結果をまたblogに掲載する。


注) グレゴリー・ストリカーズ氏の著作
「アメリカ口語英語、英友社」、発音変化の規則が収録されている。
「アメリカ口語英語問題集 I 、英友社」、例題を収録してる。
なお、残念なことだが、音源となるカセットテープの入手は現在むづかしいようだ。

(その3につづく)

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。