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スコットランド、住民投票 [前置きと例え]

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スコットランドで英国からの独立の可否をとう住民投票が実施された。反対が過半数をしめ、独立が否定された。これは事前世論調査では賛否が拮抗し、独立もあり得ると、にわかに世界が注目し、英国の通貨や株価が下落した。

投票結果は、反対が55%、賛成が45%という結果だった。この結果、独立を目ざしてたスコットランドの行政府のサモンド党首は辞任した。ご存知のとおり英国は民主主義の先進国である。途上国のような圧政に反抗して独立を目ざすわけではない。こんなことが何故おきるのか、わたしには不思議な気がした。あらためて、ネットでしらべた。

スコットランドは英国において、国土では30%、人口では8%、530万人である。18世紀に英国に併合され、その当時、地方政府は存在しなかった。1960年代に、近くに北海油田が発見された。これは英国の輸出の3%をしめる。ロビンフッドの時代であるまいに、これで独立を目ざすのかと思う。景気の低迷で地方政府への支援が減少した。住民の不満がたかまってたという。しかし、30%程度が独立を主張する。住民投票では間違いなく否決されるという認識があったらしい。独立を目ざす独立推進派が地方政府で多数をしめ、キャメロン首相が2012年に国民投票をみとめた。予想とちがい、拮抗した状況に危機感がたかまった。首相がスコットランドを訪問したり、エリザベス女王が慎重に考慮した投票を呼びかるなどがあった。結果は否決だった。わたしの感想である。

今回の結果は妥当だったと思うが、もし独立したらどうなったか。その後、10年ないし20年の展開が世界に参考となる貴重な知見をあたえてくれただろう。すこし残念な気がする。英国は民主主義の先進国である。国民投票も地方議会から中央政府、首相と手続に特に問題はない。投票においても軍隊が圧力をかけるなどの動きはなかった。そして独立の結果がでれば、それは英国もみとめるだろう。それからが問題だ。もはや空想の世界だが、スコットランドのみならず、英国本体、あるいは世界にも相当の影響があったろう。

独立推進派は北海油田により福祉向上が期待できると主張してたが、相当にあやしい。とりあえず外国政府の不当な干渉はないだろうが、軍隊も自前となる。英国本体との国境線の問題、互いの疑心暗鬼が混乱をうむだろう。まことにあやうい。経済的な自立がどこまでできるか。北海油田を軽々しく外交の交渉道具につかう。きゅうにロシアと接近するなどしたら、たちまち英国本体との緊張がたかまる。不測の衝突がおきるかも。と、スキャンダルめいた話しはこれくらいにするが、おそらく10年、あるいは20年後にはまた英国に復帰することだろう。空想話しはこれでおわり。で、結論である。

内政の不満のはけ口を独立にもとめるのは、極めて危険だ。どのような地域においても国際政治がはたらいてる。いったん火がついたら重大な危機がうまれる。独立運動は、英国においてもウェールズや北アイルランドがある。スペインではカタルーニャ、ロシアにも、中国にもある。この国においても、沖縄が独立するといいだすかもしれない。それだけでない。北海道でも、考えるかもしれない。自由の国だ。考えることを否定はしないが、公共の場で無責任な発言をすることまで寛容ではない。
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