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米中貿易戦争に秘密文書が [バカにされないクスリ]

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* はじめに
米国のペンス副大統領は十月四日にきびしい対中批判の演説をした。一部にはこれは新冷戦時代のはじまりと注目をあつめた。彼はその後、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に出席。そこで中国との対立はとけず。たぶんその影響か。共同声明にいたらず、異例の事態がうまれた。国際政治にくわしい長谷川幸洋氏はこれに関連し面白い指摘をしたので紹介する。

* 対中秘密戦略文書があるはず
対中貿易にきびしい姿勢の米国は、安全保障、人権問題においてもおなじである。包括的なペンス演説、あるいは安全保障戦略、防衛戦略がすでに公表。だがこれは一般的なもの。さらに本格的な内容の包括的文書があるはず。米国はこれを作成のうえでペンス演説をおこない、中国の拡大策に対抗する援助、インド太平洋諸国への六百億ドル援助計画を発表したとおもう。このような文書を想定することは米国の専門家のあいだでは常識である。

* 冷戦時代に作成された秘密戦略文書のこと
自分は新冷戦時代を予測してたがペンス演説には「冷戦」や「封じ込め」の言葉はなかった。ところがポンペイオ国務長官が、「冷戦や封じ込め」をすすめてるわけでないと発言した。外交分野で「封じ込め」という言葉はほとんど禁句である。こんな形にせよこの言葉が飛びだしたことに驚愕した。米国の本気度をかんじた。ならば秘密戦略文書があるとおもう。

対ソ封じ込めについて、ジョージ・ケナンの文書があるが、これはポール・ニッチェが作成したものによる。この文書は冷戦が終了後に存在があきらかとなった。実はレーガン政権時代にもこの種の文書が作成されたという。NSC68とよばれてる。

昨年末、グレアム・アリソンハーバード大教授が米中の対立について本をかいた。その中で、トルーマンドクトリン、マーシャル・プラン、ジョージ・ケナンのX文書と封じ込めに言及して考察をすすめてた。自分は当然、この種の文書の存在を前提にした議論と理解した。さらに対ソ封じ込めと比較すると状況があまりにもにてる。ケナンのX文書はピルベリの「中国、二〇四九」。これは従来の対中政策の失敗をみとめ対中批判にてんじたもの。さらにペンス副大統領はハドソン研究所で演説したがここの中国専門家。チャーチルの鉄のカーテン演説はペンス演説、マーシャル・プランはインド太平洋諸国への援助計画と対応する。さて結論である。

* 結論
長谷川氏の慧眼にはおそれいる。ソ連の崩壊は一九九一年である。これからかんがえれば、両国の対立はまだまだつづき十年、二十年におよぶだろう。中国がきゅうに愛想を振りまくようになった。この対立は日本のチャンスと欣喜雀躍する動きが経済界にあるそうだ。自由、民主、人権という価値を共有する米国の動向に最大の注意をはらって中国と付きあうことを安倍総理にお願いしたい。国民の皆さん、そうおもいませんか。


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