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お金の話し、第九回、硬貨のつくりかた [バカにされないクスリ]


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* はじめに
投資会社社長の瀧本憲治氏が経済評論家、三橋貴明氏にお金のことをきくユーチューブを取りあげる。対談形式で展開するので、ひたすらその筋をおい最後に私の感想をのべる。
(お金とは何か、お金を創る、三橋貴明氏に教わる 第七回、takimoto kenji、2017/05/18 )

* お金は誰がつくって流通させるか
今日はなんとお金をつくるという話しをききます。はい、大好きでしょう。この一万円札とこの硬貨。はい、この硬貨のほうが今回は大事になるが。へえ。これがどうつくられ、どう流通するのかを。はい。これを硬貨とよんでるが法律では貨幣。で、一万円札は紙幣。混乱をさけてここでは硬貨と。はい、わかりました。まず一万円札がどこが発行。ええ。日本銀行とおもう。で、日本銀行が発行してるが印刷は別に。ええ、造幣局。それは硬貨。こっちは

* 印刷された一万円札がいつお金に
独立行政法人の日本印刷局。へえ。一万円札だと印刷のコストが二十二円(厳密には22.2)。へえ。費用をはらって国立印刷局に印刷してもらう。はい。この時点では一万円札は二十二円の紙切れ。はい。日本銀行はもうかるな。はは、とはならない。まだお金ではないから。へえ。この時点では日本銀行が数字を書きこんだ小切手とおなじ。

たとえば瀧本さんが小切手帳に一万円と書きこんでびりっとやぶった。その瞬間はお金かというと。でない。そう。まだもってるだけ。ふうん。だが誰かにこれが何かの債務の引替にわたった時にお金となる。ほう。つまり小切手を振りだすという行為。はい。これがないと一万円札はただの二十二円の紙切れ。はあ。一万円札だが、日本銀行が自分の債務。自分の負債とみとめその証明書だと誰かにわたしてはじめて一万円札となる。その時に債権と債務の関係が成立するから。ふうん。そしてお金になる。なるほど。

そしてくどいほどいってきたが、債権と債務の記録。はい。日本銀行が一万円札を印刷してもらっただけではお金にならない。ふうん。大丈夫ですか、ついてこれてる。はあ、だいたい論理的にわかってきてます。瀧本さんが小切手帳に一万円とかいただけではお金にならない。それを振りだして。自分の負債、相手の債権になった時点でお金になる。

* 日銀は一万円札をどのように流通させるか
この一万円札もおなじ。日本銀行に納品された二十二円の紙切れがどのように一万円になるかというと。はい。実は銀行は日本銀行に日本銀行当座預金の口座をもってる。ものす極く通俗的な説明だが日本銀行当座預金という通帳がある。それに金額がかかれてる。はい。百億とか。はい。そこで銀行がこの資産である日本銀行当座預金を現金で引きだす。はい、それを日本銀行から。そう。まさに瀧本さんが銀行に通帳をもって現金を引きだすのとまったくおなじ。ふん。

それを銀行が日銀にたいしてやる。で、その時、日本銀行当座預金は日本銀行の債務、銀行にとっては債権。はい。その債務をあらたな債務でもって弁済した。というかたちで一万円札が銀行にゆく。ほう。瀧本さんが私に一万円の借金をもつ。そこで借用証書をかいてわたした。私は借金をかえしてといった。すると瀧本さんは小切手を発行し私にわたす。というかたちで弁済した。するとこれは負債をあらたな負債により弁済したことになる。はい。そこでも債務債権の関係はかわらない。はい。ただ小切手は流通性がたかい。借用証書よりお金にちかい。という話し。はい。それがお金として流通するという形。ところでこの日本銀行当座預金。一般の我々にはもてない。だから我々の預金口座をもつ銀行が日本銀行にいって一万円を引きおろす。すると銀行に一万円札がわたされる。これで我々は銀行をとうして一万円札を手にできる。ここで日本銀行から 銀行にわたったその時に一万円は日本銀行の負債になり銀行の債権になる。ふん。で、一万円として流通してゆく。この後に我々は一万円をおろすなり、かりるなりして市中に現金が流通してゆく。これがお金の発行。わかりましたか。はい。

これで一番わからないこと。お金を発行する。これは従来の債務をあらたな債務を発行することで弁済する。これであり、これができるということ。はい、日本銀行当座預金から日本銀行券にかわったということですね。そう。そう、日本銀行当座預金も日本銀行の債務、日本銀行券も日本銀行の負債。はい。つまりお金の種類がかわっただけ。はい、それがまあ流通してゆく。それが百兆円。そう。一万円札だけでないが。これは今までの延長線上にあるから理解は容易。はい。最初からこのシリーズをきいてる方なら。はい。ではここまでの話しは一区切り。はい。

* 硬貨というお金
これからは大変な話しに。へえ。この硬貨。これは誰が発行してるか。ええ。これは日本政府。日本銀行でない。はい、財務省。うん、具体的には造幣局。これは一体ということで日本国政府と。はい。まず政府は傘下の造幣局に五百円玉をつくれとめいじる。たしかこれは五十円くらいのコスト。へえ。金属代金、製造や管理のコストがはいる。はい。

で、五百円玉を政府がつくった。この時点ではお金でない。はい。金属板。ああ。で、政府はこれをどういうかたちで流通させるか。いやあ、ううん。まず日本銀行を経由させる。ほう。法律にかいてある、日本銀行に交付することによっておこなうとある。はい。まあなんとなくあげるという意味。へい。では実際。それは日本銀行に政府がもってる日本銀行当座預金、政府預金というが、その 残高をふやすというかたちで代金をはらう。ああ、なるほど。これを貸借対照表で説明を。ほう。そこに政府預金として二十二兆円が計上。そこにはいる。これ、純粋な資産ですね。よくわかりました。一万円札の発行と五百円玉の発行を比較しながら説明する。

一、では、日本銀行が一万円札を銀行に発行した。その貸借対照表は次のとおり。
日本銀行の貸借対照表
借方 貸方
現金一万円

銀行の貸借対照表
借方 貸方
現金一万円

これだと債権者、銀行と債務者、日本銀行がそれぞれいる。
二、政府が日本銀行に五百円玉を発行した。政府は交付前に資産として五百円玉をもってる。それを交付する。
政府の貸借対照表
借方 貸方
日本銀行当座預金五百円

日本銀行の貸借対照表
借方 貸方
硬貨五百円 日本銀行当座預金

この時点で五百円玉についてかんがえる。日本銀行は債権としてもってる。では債務としてもってるのは誰か。実はいない。お金なのに債務者がいない惟一の存在。手続的にそうなる。へえ。実はこれをシニョリッジという。これは硬貨の 額面コストと製造コストの差をいう。

* 政府がシニョリッジをかせぐ
この差額は政府の一般会計予算に組みこまれる。はい。では、シニョリッジの表をしめす。
一円玉がマイナス十三円
五円玉が一円
十円玉はマイナス三十二円
五十円玉は三十円
百円玉は二十七円
五百円玉は四百五十七円

ほう、シニョリッジをかせぐため五百札から五百円玉にしたのでは。ううん、額としてたいしたものでは。発行するお金の総計が二千億円。その製造コストなどをやすくおさえて交付。そのシニョリッジの総計は千億円くらい。それを税外収入として組みこむ。日本の予算は百兆円だから0.1パーセント。たいしたものでは。はあ、ない。

* 政府紙幣の議論、これで財源問題が解決か
では政府が一兆円玉をつくったら。どうか。えええ。おそらくコストは五百円。これはくずせない。つかえない。ふん。ところがこれを日本銀行に交付すれば。すると日本銀行は政府の日本銀行当座預金の口座にほぼ一兆円をいれる。ほう。つまりほぼ一兆円の予算が計上される。おお、それどんどんやればどうですか。昔、政府紙幣をという議論があったのをおぼえてるか。へええ。渡辺喜美さんなどが議論した。ほう。これは政府が発行できる。はい。十兆円紙幣を発行して日本銀行にもってゆく。それで予算計上。公共サービス、医療サービスをおこなう。ほう、今まさに需要不足ですね。それを政府がつくる。そうなったら

それは誰の負債でもない。国債の発行は不要ですね。そう、それができるのが政府。はあ。ところでシニョリッジの語源は中世ヨーロッパの領主。シニョールのこと。はい。昔、彼らはたとえば百円の銀をかってきてそれで千円の銀貨をつくってそれを流通させた。そんなことをどんどんしたからインフレ率がたかくなった。へえ、需要は。普通にある。で、領主がお金をつかう。それはほぼ需要となる。はい。そんなことをがんがんやる。戦争だ。たいへんだと。すると硬貨を回収してうすめて巨額の硬貨をつくる。そして支払う。そんなことをやってた。インフレ率がたかくなる。だから経済学者はシニョリッジを伝統的にきらう。はい。

* 経済学はインフレ抑制が目的、シニョリッジをきらう理由
経済学者がシニョリッジをきらうのはインフレをきらうから。もともと経済学はインフレを抑制するための学問だった。たとえば市場原理主義、自由競争、全部そう。競争を激化させ生産性をあげてとやる。財務省の均衡主義もインフレを抑制するためのもの。ふうん。もちろん、インフレの時にはそれでいいが、デフレの時にそれをやってる。これが問題。冗談でもなんでもなく今はデフレ。一兆円玉を日本銀行に交付し代金をはらってもらって税外収入を一般会計にいれたら。いい。ですね。

教育無償化やってもらって。ええ、なんの問題もない。はい。もし惟一問題があるとしたらインフレ率があがること。はい。でも今インフレにするために頑張ってるわけ。皆んなしらない。ふむ。まあ一兆円玉が大げさかも。ふうん。実際問題として日本銀行が国債を買いとる。だからさきに説明したように財政問題などない。だから長期金利がゼロパーセントになった。ふん。

* だがインフレにならないなら一兆円玉発行も問題ない
何かをやろうとするとこの予算の財源はという。ふん。財源、財源と。それ何故だと。ええ。たとえば復興増税。はい、東日本大震災のようなカタスロロフィーがあったのだから国債を発行してもなんでもいいからお金を調達してつかわなければいけなかった。だが復興増税という話しがでてきた。二〇一一年というこの時期。実は重要。ほう。二〇一〇年に決定的に問題のある閣議決定が管政権によりおこなわれた。へえ、それは。PB黒字化目標。はあ。

* 政府の手足をしばるPB目標の悪弊
プライマリバランスを二〇二〇年までにというものですか。そう。ちなみにPBとは基礎的財政収支、国債関係費をのぞいた歳入と歳出を一致させなさいということ。ふうむ。これの何が問題かというと。はい。これを一致させなさいというと東日本大震災で歳出がふえる。するとその分の歳入をどこかからとらないと。でなければ増税となる。だから復興増税。はい。なるほど。その傾向がいまだにつづく。はあ。今、岩手県の北上山地に国際リニアコライダーという直線粒子加速器をつくろうとしてる。ほう。計画。まだきまったわけでない。あれはたしか四千億円を日本が負担する。これは各国も負担しますか。そう。この経済的効果は最低でも四兆円。へえ。これだけGDPがふえる。ところが日本が四千億円拠出。この財源はどこから。増税しなくてはいけない。はい。最近のこと、自民党の政治家たちがPB目標をやめようと。そう、あたりまえの話し。国債を発行しても二十兆円玉を発行しても。と意気ごんでも。はい、できない。だから復興増税のような増税と。この計画も予算がネック。きまってない。この状況をどうおもうか。ううん。

まず誰がみててもおかしいこと。まず金よりも大事なものがある。まず復興があるというのにPBに引っぱられるのか。あと一つ。PBなど気にする必要があるか。今はデフレ。この二点からやっと自民党の人たちがうごきだした。ただしい知識をえて、ただしい政策を提言してゆこうと。そういう話し。ほう。でもたぶんさっきからここではなしてること。政治家の誰もしらない。

* 政府がどこまでお金を発行できるか、政治家の無知
でも、渡辺喜美さんがいった。へっ。その時嘲笑されてた。ほう。そもそも千億円の紙幣発行してかえさないなんてと。はい。そもそも借金をかえしちゃいけない。資本主義国では。ううん、借金はふえつづけるものですか。そう、経済成長してるから。はい。もちろん、こんな前提すらしらない。はい。実際、渡辺喜美さんがいくらの紙幣を発行するといったのかはしらないがたとえば百兆円の政府紙幣つくって。これ一枚です。はい。それを日本銀行に持ちこみ百兆円の政府預金にして政府がつかってもインフレにならなければ誰の借金にもならないから。へい、なんでそんな声が有力者からでないのですか。うん、それはお金発行の中身とかをしらないから。はい。自分の感覚でいう。皆んな現金紙幣の感覚でいう。だから銀行預金は銀行が貸しだした瞬間にうまれる。その話しはすでにした。だから通帳にその数字がかかれた瞬間にうまれる。

はい、現金を実際に貸しだすのでは。ない。そうだったら現金というモノがあるからわかりやすいが。はあ。では、それは結局、預金でもどってくるから預金と。ああ、その考えはそれは中世英国の銀行のはじまりの考え。へえ。要はあの頃は金。はい。金貨を銀行にあずけた。ゴールドスミスという巨大な金庫をもってる人のところに。へえ。皆んなあずけた。はい。あずかった証拠に預金証を発行した。はい、いつのまにかそれが流通するようになった。その時ゴールドスミスがかんがえた。うちがあつかってる金貨。これをずっと自分のところにもってる必要があるのかと。へえ。では貸しだす。ということで銀行がはじまった。ほう。その時の考え。はい。でも現実の世界では紙切れがなくても記載があればお金をかしたとされる。はい。これはお金は債権と債務の記録。だから記載が証明されればお金になる。ふうん、債務債権の記録なのに債務の記録ないのはおかしい。ううん、そういわれるとそう。でも実際につかえるわけ。これは特例。はい。例外。はあ。これまでお金の話しをしてきたから、この硬貨の話しもわかったとおもう。はい。そうでなければ何がなんだかわからないだろう。というわけでこの硬貨の話しは時間をおいてはなした。はい。

つまり政府が百兆円の予算をくみたかったら政府は百兆円玉をつくって日本銀行に交付する。すると税金をとらなくてもいい。ただし大事な点。へえ。政府が百兆円の予算。それはつかうため。するとそれはかならず需要となる。はい、つまり百兆円で高等教育を無償化して、教育産業を盛りあげたり。はい、技術開発をやって介護事業、医療事業、あとは公共事業、防衛をふやす。あの、介護に従事する人たちの給与をあげたりしたら、よろこばれますよね。そう、でもそれは全部需要になる。はい。その需要にたいしてちゃんと供給がおいつくのか。はい。できなかったらインフレになる。はい。でも保育園の先生の給与をあげる。介護の方の給与をあげる。国民の誰も反対しない。ううん。

どうでしょか。当然、財源はという話しになる。ふむ、だからその硬貨で。それはラジカル。そんな手段にたよらなくても。ふうん。国債を発行する。そっちのほうが健全。なるほど。健全なんだが政府はここまでできる。そういうことをしっていただきたい。そうおもってはなした。ほう、それはもう 伝家の宝刀というものですか。いや、現実にシニョリッジは政府もえてる。実際に千億円くらい。そんなことをしったうえでもつとも穏当な策をかんがえるべき。はい。今は国債発行と日本銀行の国債買取。これが。いい。はい。

* 今の政府予算を倍にしてもよい
それで予算を倍にしてもいい。それで保育とか介護とかにつかって、日本中のインフラを整備する。これでいい。耐震化、防災、減災、防衛を強化して防衛予算を十兆円。それでインフレにならなかったらなんの問題もない。だから最後のボトルネックになるのがインフレ率。ふうん。取りあえず今は日本はデフレ。ありがとうございました。次回にインフレについてやります。

(本文おわり)

* 感想
一、一万円札は日本銀行が発行する。銀行が日本銀行にもつ当座預金は日本銀行の負債である。その弁済をもとめる銀行に一万円札で弁済するというかたちで発行される。

五百円硬貨は政府が発行するが日本銀行に交付するかたちで発行する。その時、政府が日本銀行にもつ当座預金が増額される。その際、製造、管理コストをのぞいた差額約四百五十円が税外収入として政府にはいる。日本銀行が発行する一万円札には債務者と債権者がいるが五百円硬貨には債権者はいるが債務者はいない。これは中世ヨーロッパの領主が銀貨を発行して額面額からコストを差しひいた額を収入とした歴史的事情に由来する。

現在の政府も必要があれば、またインフレにならないのであれば中世の領主のように硬貨ないし紙幣を発行して収入とすることができるが、その可能性について一顧だにされないのは残念である。これが三橋氏のいいたいこととおもう。

二、三橋氏は日本がデフレにあるにもかかわらず硬貨や紙幣を発行して国家収入とすることは勿論、それよりはるかに穏当な国債発行についても政治家が消極的であることに憤懣やるかたないようだ。このシリーズの説明からその気持はいたいほどわかる。その理由をお金への誤解や経済学の誤りとしていることに私は率直にいうが、どうも真相からはずれてるとおもう。

政治家は国民の目をおそれPBの閣議決定を無視できない。節約にしがみつく国民の不安を説得できない。失点を鵜の目鷹の目でさがしてる他の政治家やマスコミをおそれる。これら自己保身からのこととおもう。

(おわり)

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