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空からお札が [これって何]


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* はじめに
参院選が与党の勝利におわり国民の関心が景気対策にうつった。十兆円をこえる財政出動やさらなる金融緩和があるらしい。そこにヘリコプター・マネーなる言葉が飛びこんできた。政府が空からお金をバラまくとかいうヤケクソの景気対策か。ところがバーナンキ元米連邦準備制度理事会議長と安倍総理が会談をした。ここでその話しがでたのではないかとの観測記事だった。しかし菅官房長官が否定した。

ヘリコプター・マネーとは政府が社会保障や公共事業の資金を税や国債にたよらず、ただ日銀にお札をすらせて、それでまかなう。ここでは政府はまったく借金しない。デフレ脱却にくるしんでる日本で究極の手段として議論されてる。この刺激的な言葉はともかく、その具体的手段は色々ある。ラジオの番組で片岡剛士氏はその意義をみとめる。現在、日銀は銀行がもつ国債を買いあげてる。この分だけ政府の借金がなくなってる。ここをみればおなじことをやってると指摘した。

この話しできすぎてる。かえって不安という人もいる。私はデフレの時代に意味がある。やってもよいとおもってる。とはいえ、未知の世界、やはり不安。で勉強した。

* 先例がある
(イ) 高橋是清のおかげで不況を脱出
昭和恐慌下にあった日本。一九三二年に高橋蔵相は政府が発行した歳入補填国債を日銀に直接買いとらせた。大胆な金融緩和である。これで見事に不況から脱出した。彼はこの後財政引き締めに舵をきったが、これが軍部の怨みをかい一九三六年のクーデターで殺害された。

これは政府発行の国債を日銀が買いあげる。すると政府が日銀に借金。でも日銀は政府の子会社。かえす必要はない。つまり借金がない。ところがお金を手にした政府は政策をとおしてお金をバラまく。つまりヘリコプター・マネーである。

(ロ) 現在も日銀は同じことをやってる
日銀は現在三百五十兆円の国債を銀行から買いあげた。政府が国債を発行し銀行が購入。それを日銀が買いあげた。いったん銀行にわたった国債を最後に日銀が買いあげた。つまり是清とおなじことをやってる。だからヘリコプター・マネーである。

こんなことができるなら政府は国民をよろこばせるためにどんどんお札をすってバラまく。社会保障も公共事業もやりたいほうだい。政府に何ら借金がのこらない。そんなに野放図にお金をすってよいのか。何かトンでもないことがおきるのではと心配になる。で、歴史の話しをする

(ハ) 萩原重秀は幕府に信頼があれば小判は土器(かわらけ)でもよいと
江戸時代、将軍家宣の勘定奉行であった萩原重秀は幕府に信頼があれば金の小判は土器(かわらけ)でもよいといったという。これにたいし新井白石は小判を改鋳、銀をまぜ発行量をふやした重秀を希代の奸物とにくみ差しちがえてでも成敗するといった。すると家宣にたしなめられたという。これは経済を儒教的道徳観から非難、見当違い。重秀は、通貨発行は金本位制から現在の管理通貨制に進化した。その先取りした先駆者。こう評価する声がある。要するに私がここでいいたいのは、彼は信頼があればお金はいくらでも発行してよいといったということ。

でも、ここでやっぱりでた。「信頼があれば」という限定条件である。いくらでもよい。そんな魔法みたいなことはない。ではこれが何か。これは現在の経済学でいうと「悪性インフレ」である。無茶なお金のバラまき。物価が急騰、経済が大混乱。国民生活が崩壊する。国債の発行についても買い手がつかない。たかい利回りを保証しないとかってくれない。是清没後、軍の圧力にまけ直接引受に歯止めがかからなくなった。それが第二次大戦への道をひらいた。現在の財政法でこれを原則、禁止してる。だから抵抗があり不安がある。それはわかるが私には別の不安がある。

* 私の不安
今、財政破綻、年金破綻とさわぐ。赤字削減、増税と言いたてる。でも経済成長がとまる。あるいはマイナスとなる。景気悪化、賃金切り下、年金減額。負のスパイラルにおちいるのでないか。今、われわれは将来の子どもたちに災難を送りとどけてるのでないか、という不安である。

今、デフレ。企業はどうする。実はよい投資分野が見つからない。内部留保にする。それを銀行にあずける。個人である。デフレになじんでるから消費を拡大しようとしない。だから銀行に。こうしてあつまったお金をかかえた銀行はどうするか。

よい借り手を見つけてその利回りでかせぐ。ところが企業はかりたがらない。でも預金者に利子をはらわなければいけない。で、国債である。安全だが低利。デフレで国債に人気。あらそって購入。すると利回りが低下する。で、今は世界一、二のレベルである。でも国債を購入する。

アベノミクスとやらで、円安、株高となって大企業は大収益。でも投資先が見つからない。だから内部留保、銀行の預金になる。日銀もアベノミクスで異次元緩和に踏みきった。銀行がもつ国債を買いあげた。購入分だけお金が銀行にながれる。だがこのお金を企業はかりたがらない。すると銀行はまた国債をほしがる。業をにやした黒田総裁は各銀行が日銀にあずけてる預金にマイナス金利をつけた。つまり保管料をとった。これは銀行の尻をひっぱたいて企業に金をかせといってることである。何故、国債ばかりにお金があつまるのか。

企業をみる。投資をしない。株主に配当をしない。社員の給料もあげない。それが銀行にゆく。個人もおおくの人は消費しない。借金をしない。銀行の預金にゆく。ここで政府はどんどん国債を発行して千兆円となった。これは巷間、国の借金というが、政府の負債である。その貸し手は国民である。国民一人あたり八百万。金持ちだ。私は経済の専門家でないが、千兆円。これは国民がかせいだ金。戦後、営々として積みあげてきた苦労の果実なのでは。それが行き場をなくして国債に滞留してる。世界でもっとも低利、あるいはマイナスの国債である。これを漫然と見のがしていてよいか。これはわれわれ、その前の世代の日本人の苦労の果実である。これが立ちぐされしてゆく。そうおもう。

だから私は国が財政出動をし企業の投資を呼びこむ。そのためにデフレの今を利用して魔法のようなヘリコプター・マネーをばらまく。日常の言葉でいえば政府、日銀が積極的な財政出動と金融緩和をする。こう主張する人の考えに共感し応援したくなる。さて結論である。

* 結論
財政出動、金融緩和は政府や日銀がきめること。私はやったことをみて時に意見をいう。ヘリコプター・マネーのごとき大胆な政策にかんして、何故、日本がインフレにならない。あるいはならなかったのか。外国でもできるのか。しりたい。どうか知恵のある方々、私におしえてほしい。

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