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融ける中東 [前置きと例え]

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* はじめに
「中東メルトダウン、イスラム国(IS)との戦い」をYoutubeで見た。ジャーナリスト、佐々木伸氏と軍事アナリストの志方俊之氏の対談に事務局がはいる。その概要である。

* 対話の概要
事務局:ロシア機の墜落はISのテロのようだ。ロシアも介入し複雑化してるシリアにおけるISのテロとの戦いはどうなってるか。
佐々木:うまくいってない。米国、欧州などからなる部隊、有志連合を結成、空爆。米軍は、12,000人を殺害、8,000回以上爆撃したというが。
志方:相手は正規軍でない。現地にいけば誰がテロリストやら。区別にこまる。地域もイラクからシリアと連続してる。空爆が成功するとは思えない。現状をわるくしない程度の効果。
佐:5回出撃して4回は空爆しないで帰還。ロシアは80回/1日、たいして有志連合は80回/月と対照的。
志:軍事的にはロシアが正解、やるなら集中的に。政治的配慮、国内配慮でやってる。
佐:共和党や専門家はだらだらした戦いを、オバマ政権の失政と批判。当初、シリアに軍を創設して対抗させるとの計画だった。この10月に失敗とみとめた。あらたに、イラクにいる3,550人の軍事顧問団をシリアに派遣、助言する。米特殊部隊を派遣、助言するという新戦略をとるという。
志:地元同士をたたかわせ、時々、米軍も。これはベトナムでやって、失敗。オバマ大統領は第1期にノーベル平和賞を受賞。米国の青年を死なせたくないという世論も。地上部隊投入は無理。
佐: 米はイラクから2011年撤退、アフガンから2016年撤退だった。これを延期。これは公約違反だ。
志:軍事作戦としていつまでに撤退する。こんな計画は軍事常識に反する。だったら敵はそれまでまってる。大統領の周辺に適切なアドバイザーがいないようだ。
事:クルド人をつかって対抗するという戦略があるようだが。
佐:シリア、イラクにおける地元の有力な武装勢力と連携をはかる。シリアではYPG、いまのところ成功のよう。イラクについて米軍が撤退。現状から失敗だった。創設したイラク軍は軍隊の態をなしてない。架空の軍人に給与をはらってた。こんなことが最近わかってきた。で、武装勢力としてクルド人しかいない。シリアのYPG、イラクのクルド人。しかしここにきてトルコが自国にクルド人をかかえ、米軍がクルドと連携することに懸念。あらたな問題となってる。
志:シリア、イラク、トルコにはクルド人がいる。この3国はかってこの勢力を政治の争いに利用した。現在の状況はこれら3国がやったことのつけだ。
佐:この地域には国をもたない民族としてクルド人がいる。
佐:イラクのISとの戦い。モスルをISが占領、奪回を目ざす。イラク政府はチクリートの奪回に成功。ところがアレバル州のラマディーをISに奪回された。イラク政府は今年中にISを掃討すると。モスルの奪回もおぼつかない。完全に失敗。ここでイランが登場する。
親衛隊の精強軍団コズの将軍、ソレマユ将軍がイラクにはいって作戦を指揮してる。影響力の増大が懸念されるようになった。
志:イランが何故と思うかも。しかしイランはかってのペルシャ帝国につながる。宗教はイスラム、シーア派、言語はアラビア語でなくペルシャ語。独自の存在だ。
佐:シリア内戦の構図だが、そこでイランの影響力が増大。米国では結局、イラクはイランにうばわれるとの懸念がたかまってる。イラン、イラク、シリアとつらなる地域はイランが熱望してる地中海への出口につながる。黄金の三角地帯と。
志:そのとおり。イランはかっての栄光の回復をねがってる。イラクはかってスンニ派のフセインが支配してた。これを米国ブッシュ大統領がたおした。このタガをはすした。すると現状の混乱は充分予見できた。米国は独裁を否定するが少数派の勢力が支配するなら独裁。必然の傾向。米国の戦略の失敗。宗派対立の状況をふまえ戦略をたてるべきを、西欧はまったく齟齬してる。
事:シリアの状況はどうなってゆくか。
佐:ひどい状況になってる。2011年、アラブの春。親父の代からみれば50年もつづいたアサド独裁にも波及。反対勢力がうまれ、内戦となった。反対勢力を支援は、米英、サウジ。アサド政権支援がロシア、イラン、ヒズボラ。という構図。
9月30日、ロシアは武器提供の段階から軍事介入にふみきった。これでさらに複雑化、解決が困難と。
事:何故、ロシアが介入か。
佐:これは防衛戦争。タルソースにロシアの拠点がある。プーチン大統領はかっての大国復活を目ざして、国際紛争に介入。存在感をたかめる。 クリミア半島はとった。伝統的発想。地中海に不凍港をもとめる。
志:同感。太平洋は日米がおさえる。北海は英が。
事:ロシアはこの介入で最新兵器の実験をしてるのでは。
佐:そのとおり。SV34戦闘機。これは クリミア戦争で弱点を露呈したと反省。兵器の近代化をすすめてる。
志:同感。国民にアピールすることを意識。SV34は米のF22ほどでない。第5世代戦闘機でない。F15程度。
佐:巡航ミサイルを1000kmはなれたカスピ海からうちこんだ。26発がシリアに着弾と。4発はイラクとの情報も。その精度はたかいのか。
志:弾道ミサイルとちがう。とんでいって最終段階で修正する。だからそれができた。その程度の性能。実験といえる。これはイラン、イラクの領空を。つまり了解があった。ということは米国も黙認。部隊をラタキアに移動。その際、イラン、イラクの領空を通過。カスピ海から発射。これは クリミアで欧米の経済制裁。ここで南に介入、目をそらすねらいも。米もまあやらせとけ、という姿勢。
佐:ISだけをねらったか。着弾地点をみれば、むしろ反対勢力。アサド政権の支援。米の批判はつよくない。
志:反対勢力がまとまったものかあやしい。米がたよれると思ってない。だからロシアの活動を放置してる。
佐:及び腰
志:まあしようがない。国内世論、議会を配慮する米の立場が。
佐:化学兵器をつかうとミサイル攻撃すると明言。シリアがつかったのにやってない。公約違反だ。これでサウジは米を信用できないと判断した。
志:米国は作戦を国連にてわたした。するとロシア、中国が拒否権を。まあしようがない。
佐:ロシアは友人を見すてないといった。米はムバラクを見すてて、モシュル大統領を支援しそうになった。米は独裁者を見すてる。
志:米は価値観で生まれた国、独裁は見すてる傾向がある。独裁のほうが政治がおさまるとしても。
事:今後のISへの戦いは。
志:これは国民がへとへとにつかれはてる。もう駄目と国際社会にすがる。そこで支援する。これをまつしかない。カンボジアがそう。これでパリ和平会議が実現した。
佐:米国は価値観と国益で行動する。
事:どうですか佐々木さん。
佐:ほおっておけない。シリアは人口が2,200万人、亡くなった人が25万人、難民が450万人。半分が家をうしなった。これ以上悲惨な状態はない。それほどの状態。だからほっておけない。でもその手段は。なかなか思いつかない。
志:同感。
佐:とはいっても米国が地上部隊を派遣する。できるかも。
志:米国民がみとめるわけない。
佐:PKOは。
志:みんなが一緒になってお願いしますというか。てんでバラバラの要求を。無理。やはり、へとへとになるまでまつ。これしかない。
(以下省略)

* 感想
シリア紛争へのロシアの介入を糸口にISへのテロの対策、それをとりまく地域、大国の思惑、将来の展望が論じられてる。概観して大国にふりまわされる小国、国民の不幸がうかびあがる。そしてシリアの悲惨な今後が結論となった。感想である。

シリア、中東には石油の存在がある。カンボジアのようにゆかない。今、シリアにすんでる人たちがすべていなくなっても、誰かがはいってくる。カンボジアの和平がシリアにおとづれる見込はかすかだ。どうも絶望的な気分になる。さて結論にゆく。

* 結論
他人の不幸をボードゲームの勝ち負けのように論じる。優劣を盤上にうかがう。こんなことやっていいのか。神様でもあるまいに。この地域に生まれた子どもたち、難民船の事故で溺死した少女のことを考えれば、いたたまれない気になるが。あなたに何ができるといわれたら、どうする。

むずかしい問題には責任者、担当者がいる。一般の国民、世界の人びとは、それほどの責任はない。仮に、世界の人口が50億人としたら、それは50億分の1の責任である。これで気がかるくなったことにして、わたしの結論とする。

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LesEncurn

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by LesEncurn (2020-01-29 07:12) 

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