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上海株暴落の道筋 [中・韓問題]

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* はじめに
Youtubeでは中国経済崩壊という文字がおどってる。ところが案外、おちついて見てる人もいる。そうならもうすこし長期的に見ようと、blogの15/06/27でかいた。これまで関心をもって見てきた。最近の上海株式の状況である。

* 最新の状況
「一時8%超の下落、3500割れ、当局の株価下支えむなしく」、とサンケイのWebにあった。ここであらためて株価の推移をみる。2014年2000ポイントだったものがこの6月12日(金)に5000ポイント超の最高値をつけた。土日をはさんだ6月15日(月)から下落がはじまった。たしか3週間で30%の暴落であった。7月にはいって不安定な動きだったが、一時4000ポイントにちかづいたりした。中国経済の不調から2000ポイントにまでおちても不思議はないという声もあったが、3500と4000の間を上下してる。けっこう頑張ってる。資本主義社会とちがうメカニズムがはたらくのかと思ってたが、この急落でやはり大勢にはさからえない。という現状のようだ。

* 政府の必死の下支え
自由主義経済にすむわたしたちからみれば、随分無茶なことをしてる。

1) 大企業、大株主に株の売却を停止するよう指導した。
2) 上場企業の半分をこえる、たしか1500社に売買停止を指導した。
3) 証券会社に2.4兆元の株式購入を指導した(これは投資信託を利用してやったらしい)
4) 株式の新規上場を停止した。
5) 株の違法な空売りを取り締まると警告した。

上記手段はなりふりかまわず株価下落を止める。そのため何でもするといったところ。名目は指導などいうが共産党政府の事実上の命令である。株式市場は自由主義経済の華、資本主義の中核である。いつでも自由に売買できる。これが保証されないのなら株式市場でない。という。株価がさがって政府があわてようと、市場メカニズムが株価をきめる。ところが中国ではそうでない。

1)は政府の影響力をつかって株をうるな、という。2)は下落しそうな株は企業が申請して売買停止をおこなう。市場の半分がうごかない。もはや株式市場でない。だったら固定相場にしろという人がいた。3)は証券会社が株をかう。これも強引だ。4)はなりふりかまってられない。5)はおかしい。空売りはすこし説明がむずかしいが、株価がさがる場面で利益をえる方法。欧米の市場で当然みとめられてる。ただし下落を助長する側面があるので印象がわるい。違法というが、これで区別できるか。どのみち恣意的になる。これを警察関係が取締るという。異様である。何故、こんなことをするのか。

* 共産党政府の事情
ある経済評論家の説明をかりる。2009年リーマンショックにより世界不況におちた時、中国はたしか40兆円の財政出動をおこない、いち早く不況を脱出。経済成長した。数年後に日本のGDPをぬき世界第二位の経済大国となった。ところで、この時中央政府は地方政府に景気対策を命じた。中央からの財源の手当はなかったという。そこで地方政府は、経済プラットホームをつかって財源を確保した。この手法は債権を発行した民間会社に地方政府が保証をあたえるという方法らしい。よくわからないがシャドウバンキングというらしい。これでやったのが不動産投資である。地方政府の役人は中央の評価を気にして、需要を度外視して投資した。結果、たてても誰もはいるあてのない幽霊マンションの出現である。これがゆきついて、現在、不動産バブルが崩壊している。投資資金はつぎなる相手をさがして株式にむかった。

ところで中国は経済成長を投資にたよっている。日本や米国のように消費はおおきくない。成長率が8%ないと国内の雇用が維持できないといってた。これほどの高度成長を長年つづけるのは無理。しかし雇用不安は国内不安、政治不安に転じる。ゆき場をうしなった投資資金がたまった。今年のはじめから政府系の報道メディアが株をかうことはいいことだといいだした。さらに金をかりて自己資金の、たしか10倍もの株が購入できる信用買いをみとめた。投資資金がたちまち株式市場にあつまった。株式投資家のうち7000万人が個人投資家。ほとんどが初心者、投資は自己責任との原則も理解してないという。ここで面白い記事をみつけた。

株でおお儲けを夢みる個人投資家は12日(金)に最高値をつけたのを見て、心をおどらせた。取引がはじまる翌週月曜日の6月15日にとてつもないプレゼントがあると期待した。何故かというと、この日は習近平主席の誕生日だったから。政府が必死に下支えにはしるのは無理がない。中国のニュースをしらべて、中国人は最後は政府がなんとかしてくれると思ってるらしい。自己責任の世界とはほどとおい。政府が株をかえといった。株価はかならずあがる。だからかった。この暴落は政府の責任だ。こう信じてる個人投資家がそうとういるらしい。暴落で財産をうしなった。借金までのこった。マンションから飛び降り自殺した。そんなニュースがながれたが規制がある。全貌は不明。さてこれからである。

* これからは
政府の都合とは別の経済合理性がはたらく自由主義経済は中国にはない。ということがみえてきた。教科書で学んだような株式の暴落は中国ではない。テレビ番組でいってたが経済の調整段階にはいったというらしい。そうとう手荒な調整がおきそうだが、経済の大崩壊はないかも。1年とか半年とかかけて成長幻想がきえた中国の水準に株価がおちつく。かもしれぬ。ここにきて元の引下げという不安要因がでた。3日間にわたっておこなわれた事実上の引下げは世界の株価におおきく影響した。通貨引下げの戦争がおきるかも。こんな懸念もくわわった。成長期の姿は期待もふくめておおきく見える。逆に元気をうしなった中国は幻想がしぼみ、凋落の姿にかわるかもしれない。1年もたったら、漢詩の授業で学んだ「国、破れて山河あり。城、春にして草木深し、...」といったことになるかもしれない。

* 結論
過去の幻影をおう中国の大国主義は傲慢といえる段階にはいってる。それがみすぼらしく凋落してゆくのに快哉をさけびたくなる。そんな気持がわからないでないが、漢詩のゆうような動乱をのぞむのもいやだ。経済合理性がはたらく株式市場のように、等身大の中国におちつくことを希望する。

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