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ギリシャ、EU緊縮財政を拒否 [ギリシャ問題]

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* 1) はじめに
7月5日にギリシャでおこなわれた国民投票においてEU緊縮財政案が拒否された。これに反対が61%、賛成が39%であった。これはEU側にとって予想外のことだったようだ。ドイツのしてくるだろう。メルケル首相とフランスのオランド大統領は電話会談をし、近日、緊急首脳会談もおこなうらしい。すこし歴史をさかのぼって、この問題を考える。

* 2) これまでの経緯
2009年にギリシャが日本円で43兆円にのぼる公的債務をかかえてることが発覚。これで資金調達のために発行する国債の価値が暴落、国の財政が破綻しそうになった。ギリシャがEUに加盟したのが2002年であるが何故こんな危機が発生したのか。やはり2008年のリーマンショックが関係あるらしい。さらに同国は就労者の7割が公務員、年金や失業給付など手あつい社会保障と国民にやさしい豊満財政をとってる。それが従来の通貨、ドラクマより信用がたかいユーロがつかえる。つまり低金利で資金調達ができる。それがこれに拍車をかけたという。さて赤字国債はスペイン、ポルトガルなどもかかえる問題である。

そこでユーロ加盟国は、各国で出資して債務危機国を金融支援する欧州安定メカニズム(ESM)と緊縮財政を受け入れることを前提にECB(欧州中央銀行)が国債を制限なく買い入れる国債買い入れプログラム(OMT)を導入した。これでやっとギリシャ債務危機が沈静化した。ところがである。

チブラス政権が15年1月に発足し、この緊縮財政を国民の声を背景に否定し、EUと交渉にはいった。ややこしい交渉のすえ、この6月末にギリシャが緊縮財政案をうけいれ妥協が成立しそうになった。ところがチプラス首相がこの案では政治生命があやういという計算で一方的に国民投票にふみきったという。これはややEU側にあまくギリシャ側にきびしい説明かもしれないが、そんなに違ってるとは思わない。さて国民投票へのギリシャの反応である。

* 3) ギリシャの誇り
チプラス首相は国民の勇気をたたて、勝利宣言をした。テレビには熱狂する若者の姿が登場した。一体何に勝利したのか日本人のわたしには理解できないが、5年間にわたる耐乏生活にあきた。さらに誇りたかい彼らにはEU提案はゆるしがたかったということらしい。一体何を誇りとするのかと思う。でもさがせばある。

ギリシャは民主主義の発祥の地であり、西欧文明の発祥の地である。蛮族の末裔であるドイツやフランスごときの指導に屈服するわけにはいかなかった。さてEUの構想である。

* 4) EUの構想はどれほどのものか
わたしはこれは壮大な民主主義の実験であると思ってる。通貨統合の今にいたるまでに51%の賛成と49%の反対の選択をしたことがったと記憶してる、さすがに民主主義の先進国と感銘をうけた。ところがこの通貨統合にいたって、この構想はドンキホーテの夢、妄想かもしれないと感じてる。

* 5) 結論
ギリシャは国民投票の結果を背景につよくEU側に妥協をもとめるだろう。わたしはその結果についてあまり意見はない。しかし、民主主義は約束、決まり事によってうごく。借金はかえすもの。かえさなくてもよいとなったら民主主義は死ぬ。両者に妥協の余地はあると思うが、この精神が無になるような結果だけはさけてほしい。こう切に願う。

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