SSブログ

中国の選挙のようなもの [中・韓問題]

totetu_gray.gif

「予測できない習主席 腐敗撲滅は選挙のようなもの」というネットの記事をみつけた。習近平主席の動向についてForbesから転載されたようだ。(2014年8月29日 Forbes.com)

習近平主席のforbs記事
項目 まとめ
はじめに 習近平主席が薄熙来重慶市党委員会書記を汚職で摘発するのは大変だった。
権力基盤を強化した習主席が周永康(中央政治局元常務委員)と徐才厚(中央軍事委員会副主席)を汚職で摘発した時、中国研究者のあいだに衝撃がはしった。
今後、自由化路線をとるのか、保守化路線をとるのか、注目される。
その人柄 習主席は文化大革命の影響で正規の大学教育がうけられなかった世代である。従来のやり方にとらわれず、柔軟な対応ができる。
政敵を汚職で追いつめるやり方は毛沢東と近似してる。しかし、インターネットの時代に毛沢東の再来はあり得ない。
習主席には知識人に理解をしめした父親の影響がある。今後、改革路線にすすむ可能性がある。
汚職撲滅運動の今後 運動がずっとつづくと考えてる人はすくない。摘発をおそれる官僚が新政策に臆病になってる弊害がでてる。
中国では汚職撲滅運動は定期的にやってくる。(そうして新しい政治体制がうまれるから)選挙のようなものだ。
このまま運動をすすめれば、摘発を担当してる部門が肥大化し、腐敗する。また、緊急に取りくむべき経済的課題が山積してる。
今後の政策 1) 経済改革は否が応でもやらざるを得ない。
2) 司法改革がおこなわれそうだ。
中国の司法は不透明である。検察、警察、裁判所、また、それを報道するメディアに独立性がない。
その改革が10月の四中全会の議題となると報道されてる。
とりあえず、マフィア化した警察隊の浄化が必要だ。司直の資質向上だけでもできれば、たいしたものだ。


わたしは、これを読んでいやな気分となった。これは香港科学技術大学の丁学良教授のインタビュー記事らしい。選挙のようなものとか、司法に透明性や独立性がないとい発言は、これほど率直なものだったのだろうか。しかし発言の趣旨はこのとおりだろう。やはりいやな気分はかわらないだろう。それは、中国の実情に無知な一般人と中国を知悉した研究者の差なのだろう。しかし、選挙は民主主義をささえる根幹の仕組みである。国民の意志がしめされ、政治を強く規制する。そこには厳密な手順や手続がある。議員の日常の活動においても、その強大な力は常に意識されてる。汚職摘発がその機能を代替してるとは、どんな国なんだろうか。

おそらく、政治家、あるいは高級官僚になれば誰もが汚職に手をだす。それは犯罪というより、仕組みのひとつ。政治家や官僚個人に利益をあたえるだけでなく、家族、一族、さらに出身地域にまでひろがる利益分配の仕組みなのだろう。一方に正規があれば、他方に不正規がある。表にある正規の裏に不正規がかくれてる。これがどんどんと拡大してゆけば正規が崩壊してしまう。定期的に汚職摘発がおきる由縁である。ここで別の話しをしたい。中国古代の歴史である。

夏殷周は伝説上の王朝ではない。近頃読んだ歴史書でしったことである。歴史学の発展、中国近代化にともなう各地の開発を契機として古代の遺跡、遺物の発見があいついだ。その客観的証拠の上に国家の姿が構築されるようになった。その成果を最近わたしがしっただけだが、面白い。ちょっと長くなるが説明する。

黄河は中国文明の発祥という。これは右にゆがんた英字のUの姿をとる。左に南下する川筋は山峡をぬけ、平原にいたる。急激に右におれまがり、また北上し海にそそぐ。このU字の底の部分には、おおくの河が流入する。渭河、洛河などである。黄河がもたらす肥沃な黄土により文明が発祥した。洪水を制御することに精勤した禹が夏の創始者となり、それを殷がついだ。周がそれを滅亡させ、その後、春秋、戦国を経て、秦帝国の誕生。漢以降、数々の王朝の盛衰があり、今に至たる。

1) 三王朝はすべて、この底の地域に起源する。夏の実在性は中国研究者はみとめてるが、日本ではまだ結論がでてない。周は西に起源するといわれてたが、それは一時、西方、渭河上流の周原に移動したためである。
2) 各地に国があり、その第一人者であるものが王となった。国同士の争いの調停者の役割をはたした。
3) 夏の桀、殷の紂の悪行は周を聖典化するため、儒者が創作したもの。史実でない。殷の紂王は東南に勢力を拡大させ、遠征してた。周は西とむすび、その背後をついて、殷をたおした。周は一時、殷に臣従してた。周の文が死に、その子、武が紂をうった。東方の国の賢者が、服喪中に兵をうごかすのは孝に反し、殷をうとうとするのは忠に反すると諫言した。

概括すれば、歴代の中国王朝の盛衰と同じである。英明な君主がいたり、いなかったりしただけだ。で、結論めいた話しをする。

Forbesの記事を読み、歴史を読んで、中国はどれほどかわったのかと思う。習主席は予想外の手をうってくるだろうという。この国の安倍総理は集団自衛権の行使について、まず博士論文のようなものを公表し、憲法解釈を説明した(「集団的自衛権の閣議決定」7月25日の記事)。さらに必要な法改正がこれからある。とても予想外の手などうてない。法律や規則があり、それに規制される。法治主義の当然の姿である。現代中国の政治は古代の政治とどこがかわたのだろうか。よく注目して見ておきたい。
古代中国 (講談社学術文庫)

古代中国 (講談社学術文庫)

  • 作者: 貝塚 茂樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/02/10
  • メディア: 文庫



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。