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朝日新聞、意見は異見 [前置きと例え]

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朝日新聞が誤報を謝罪した。また、朝日の悪口がいえる。スキャンダルウォッチャーとしては面白いというしかない。話しの肝である。

朝日は記者会見で、東京電力福島第1原発所長として事故対応にあたった吉田昌郎氏=昨年7月死去=が政府事故調査・検証委員会の聞き取りに答えた「聴取結果書」(吉田調書)に関し、「所長命令に違反、原発撤退」と報じた記事の誤りを認め、謝罪した。

東日本大震災発生4日後の3月15日に第1原発の所員の9割にあたる約650人が吉田さんの待機命令に違反し職場を離脱した。その事実を3年以上隠していた。こういって東電の対応を批判した記事を5月に掲載した。これについては東電や関連企業の社員が誤報といかっている。新聞各紙も批判してる。わたしは新聞を読まない。ネットで噂をきいた。今回、あらためて詳細をしり、あきれた。職場をしる人間として吉田調書をどう解釈して、さらにどのような裏付けをもって、このような記事を掲載したのか、理解に苦しむところである。

職場で9割の人間が命令違反をするなら、その職場は崩壊してる。今回は1000年や500年に一度とう大惨事の中の現場である。そこにいる人間の大多数が命令違反をしたなら、奇跡の50人といって、海外で英雄扱いされた人たちは出現しない。この人たちは無名である。作業により放射線被爆が限度になるなどで、順次交代してゆく。現場を次の人たちにまかせて離れてゆく。このような人たちが次々とあらわれて、福島原発の現場で復旧作業が遂行された。崩壊した職場であるはずがない。この記事は危険をおかし自分の職務をはたしていった人たちの名誉をはなはだしく傷つけた。謝罪は当然のことである。

本当に朝日の記者は福島の現場がこのような崩壊した現場だったと信じたのだろうか。ネット記事の中にこの事故を追いつづけている人のブログをみた。極論かもしれないが、おおくの現場で職務をはたした人たちに取材した、この人は朝日は現場にきて取材したのだろうかとうたがってた。わたしは、これは朝日の営業方針である。意見は異見である。異見をうる高級紙としての営業方針による。こう思う。それを成りたたせるのにはこの国の未熟な民主主義がある。

民主主義は多様さを大切にする。問題の担当者は国民の総意をさぐり政策を打ちだし、議論をへて決定する。当然、多様な意見がでる。決定を主導するのは賛成意見であり反対意見でない。しかし、対案もださず、政策を否定して、ことたれりとする。それが批判もされない。緊急の問題は放置できない。どこやらで妥協がはかれる。国民には何が何やらわからぬ間に決定する。こんなことが繰りかえされる。意見は異見という未熟な風土である。

豊富な異見をちりばめた朝日の営業方針はなかなか賢明である。今回はやりすぎたが、まだ効き目はつづく。元アナウンサーの長谷川豊さんのブログ(http://blogos.com/article/94181)に面白い記事をみつけた。問題は慰安婦だ。外交に悪影響をあたえたと非難が朝日に集中した。しかし謝罪する必要はない。根拠は、朝日は自分のリスクで営業してる民間紙である。誤報はでる。あれば訂正すればよい。外交への悪影響に謝罪の必要がない。こういう主張のようだ。さらにいう。政府の対応こそ問題だ。その当時の宮澤総理と河野議長の対応が外交に悪影響をもたらした。外国は政府がみとめたとして、強制連行の国と認定したと明確に指摘してる。まったく同感である。で、結論である。

一民間紙の誤報より政府の対応の方が重要だ。こんなことが時々はおきる。今回の吉田調書公開は、もともと非公開を希望してた吉田さんの意志とちがう。しかし朝日の報道をふまえ政府が遺族の方々の意向をきいた上で、公開に踏みきった。朝日の謝罪はこの公開の事実がおおきな決め手になったと思う。推測にすぎないが、公開するといわなければ、32年もかかった慰安婦報道の謝罪にならぶくらい時間がかかったのでは。政府の今回の公開は、なかなかよかった。

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