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理研の 再生研究に、最低評価 [STAP騒動]

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文部科学省の独立行政法人評価委員会が理化学研究所の平成25年度年(2013年)の業務実績評価で「発生・再生科学総合研究」と「法令順守、倫理の保持等」の2項目で「改善が必要である」という事実上の最低評価をくだしたことが、わかった。理研は年度の後半になる2014年1月末の論文公表からSTAP騒動という一連の問題をひきおこした。それを考えれば妥当な評価と思う。しかし、あらためて笹井さんの自殺を考えると、これだけの評価ではすまない気がする。

笹井さんは、騒動のいわば一翼をになった一人だが、この騒動のいたましい犠牲者だったと思う。以下にそのわけをのべる。

この問題を対象として外部の委員からなる改革委がもうけられ、報告書を提出した。そこで、研究不正を防止するための研修会が開催される。研究員は受講が義務づけられてるが、実際は半分以上の人が未受講だった。それが是正措置もとらず漫然と放置してたと指摘してる。研究不正の問題(2004年)の発生を契機として、不正防止の規定が導入された。ここからはわたしの推測である。

理研の本部は、監督官庁から規定を指示された。研究員は不満や反発があった。現場とのすりあわせも不充分なまま導入された。おそらく欧米諸国の例を参考にしたろう。研究の現場は、理工といっても様子がことなる。一片の規定ではまかなえない。独立性の強い研究者を管理するのは、研究室の状況、研究指導者と研究員の人間関係、分野における事情で、一律の規定は無茶だ。いいたいことは山ほどあるが、不正問題を引きおこした当事者として、発言は無力だ。一応、従う。研修はこの一連の動きとして企画されたのだろう。研究員はその実効性に納得してない。たとえ義務違反者がでたとて、周囲の研究者の反発はない。本部は腰がひけてる。すると改革委の指摘のような事態がうまれる。さて笹井さんのことである。

真面目な人である。このような現状は、一方でおかしいという認識があった。他方、この規定をそのまま守って実行したら大変だ。自分だけが苦労するのでない。周りにも迷惑をかける。もやもやとした気持のまま、STAP騒動にぶつかった。思いがけず、渦中の人となった。改革委がこの問題を正論でズバズバと指摘してゆく。これによれば、自分は小保方さんにつぐ、大悪人のようだ。一応もっともと思う。

公表についてたしかに軽率だった。論文や研究管理について厳しく指摘されたが、小保方さんの研究に関与したのは、上司から依頼されたから。natureの質問にこたえる助力をした。研究のはじめはまったく関与してなかった。小保方さんの採用を安易というが、他に例がないわけじゃない(これはわたしの推測)。勿論、上司の決裁をもらってやったこと。しかし、そんなことは関係なく研究不正の規定からは、研究管理について責任がある。正論だ。それだけで主張するなら、反論の余地はない。

助言を依頼された時、何か条件をつければよかった。はっきり、助言者を引きうける以前については責任をもてない。また、論文の執筆者になるのは断わればよかった。世間知らずだった。もっと上手な処世があっただろう。自分の無知や無能を、この機会にはっきり認めたら、もっと心が軽くなったろう。しかしプライドが許さない。どんどんと追いつめられた。被害者の面ばかりいってるようだが、論文はnatureがたしかに受理した。その不備を批判されるのは通常だ。研究で悪いことをしたわけじゃない。と、なる。やっぱり、自殺した笹井さんは犠牲者と思う。で、結論である。

独立行政法人評価委員会の報告はまだ公表されてない。そこにふくめてほしいことがある。委員会は従来の評価から、今回の騒動をふまえて、評価を変更した。率直にいえば、理研の問題を見ぬけなかった。そこにひっかかる。評価は、まず理研の自己点検が提出されて、それにもとづき評価する。その時、改革委が指摘した法令遵守の不適切を見ぬけなかった。さて要望事項である。

1) この仕組みを前提にした評価を委員会としてどう考えるか。このような間接的な評価の意義はどこにあるのか。
2) 再生研究の分野の研究について、最低の評価をしたようだが、不適切な研究管理や安易な人事が他の分野に存在しないのか。それをどう点検したのか。
3) 改革委は、他の分野においても不適切な研究管理により研究活動が実施されていることを示唆してる。委員会は、このような研究活動を不適切な管理がおこなわれていることを認識しないで評価した可能性がたかい。このような評価をどう考えるのか。

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