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異常気象の夏 [前置きと例え]

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熱い夏もそろそろおわりそうだ。猛暑、突然の豪雨、広島の土砂崩れなど、異常な夏を印象づけた。すると、気になる記事をネットでみつけた。産経新聞だった。国連気候変動枠組み条約、地球温暖化防止の話しだ。温暖化ガスであるCO2を減少させる目標値をアメリカが発表したそうだ。中国は来年の早々に発表するという。日本は出遅れてるそうだ。この目標値は当初のものでなく、その後をうけた二度目のものだという。主要先進国の一つとして、日本も公表することを期待されているという。

記事は、これについて、日本の原発忌避を不審に思ってる。日本の態度が異常気象の悪化を促進すると批判の声もでてるという。見出しでは、異常気象から、地域紛争の拡大にまで言及してる。原発はCO2を排出しない。それはたしかだが、だから原発推進というのか、やや疑問だ。そこでネットをしらべた。

原発は温暖化防止に役だたない、という記事をみつけた。それでは、CO2の排出量の推移のグラフがあった。ドイツが近年着実に減少させているのに、日本はまったく減少してない。従来の趨勢を延長して増加させている。これが論拠のようだ。なるほどと思ったが、日本は伝統的にエネルギーについてはつつましい国である。特に家庭においてはそうである。どうもおかしい。一体、何をもってCO2排出量を導きだしたのだろうか。ともあれ、これだけ顕著であれば、まず、受けいれざるを得ない。さらに調べた。

温暖化ガスには、CO2だけでない、メタンもある。ところが今後、CO2が深刻な問題となるから、温暖化ガスといえばCO2を問題にするそうだ。原子力の話しである。電力供給によるCO2発生の寄与分は30%だという。この中で原子力はたしか30%ほどだから、影響はすくない。CO2の増加は別の活動からくるらしい。で、どうすればいいのか。この記事では、これまでの生活を根本からかえなければ駄目だ、という。しかし具体的な姿はしめしてない。これではどうもいただけぬ。原子力もそうだが、今さかんにいわれている風力発電、太陽光発電でもCO2を積極的に削減するわけでない。発生させないという効果にとどまる。その意味では同じだ。特別に原発を環境破壊の元凶とするような論調もあった。これもいただけぬ。

自然エネルギー財団の記事をみつけた。ここで風力や太陽光の発電について丁寧に説明してある。自然エネルギー利用の先進国とみなされるドイツでは電力の25%が、これでまかなわれているという。ほかのヨーロッパの国でも20%をこえてた。自然エネルギー利用は自然の気まぐれで安定供給に問題がある。それも多数の発電拠点をむすんで、相互にやりくりして問題が克服できるという。コストの面であるが、火力発電より安価という実績もあった。ドイツが、一時的にエネルギーを外国から輸入したことがあるのでは、という疑問にたいし、一貫して輸出してるという。ドイツの実績も、他のヨーロッパの国の実績も納得できた。しかしやはり疑問がわく。25%というから、他の75%は何によってるか。これは原発でなく、火力となる。その燃料をソ連からのパイプラインに依存してるようだ。どうも夢を語りすぎてる気がする。さてここで前にも引用した、川口・マーン恵美氏だ。さてそのブログをみた。

ドイツの再生可能エネルギー法は失敗だったのか、という見出しの記事があった。6人の専門家グループがこの法律を評価しレポートした。結論である。 この法律は、気候変動防止も技術革新の刷新も促進しない、という。さすがドイツ人だと感心した。この2月のことである。もうすこし補足する。

1) 2000年に施行されてから、7%から23%にのびた。このために税金の投入とう巨額のコストがかかった。それは一般消費者の負担増をしいた。国際競争力の維持という名目で企業への負担は低くおさえれれている。

2) CO2排出について、EUの排出量取引制度があるため、この法律が気候変動防止に役だってる事実はない。ただ電気代を高騰させたという。(筆者の注、取引制度がどうかかわってるのかよくわからない。ただ結論だけを記す。)

3) 技術革新についても否定してる。

ここからは川口氏の見解がのべられている。そこで気になったことである。送電の問題である。電気はほとんで蓄電できない。必要な電力は供給がすばやく対応して安定した電力を供給しなければならない。わたしの幼いころの経験である。夜、電気が暗くなる。また、明かるくなる。そんな繰り返しがあった。それが停電になったこともあった。これは、まず供給がおいつかなくなると、電圧がさがる。すると電球が暗くなる。それでもおいつかなくなると、ついに停電する。このようなことが現在の日本では、まずない。しかし瞬断といって人間が気がつかないほどの短時間、停電することがある。これも24時間稼動を前提とする主要コンピュータ、組織の中核にあるサーバーなどでは絶対にあってはならない。だから無停電装置をつけて対応してると思う。風力や太陽光は心もとない。火力が対応する。川口氏の言である。自然の気まぐれで発電された電気は、どこかで消費されねばならない。それは外国に輸出される。時には、対価を払って受けとってもらうそうだ。

自然エネルギー財団の話しとちがう。どちらが正しいのか。おそらくどちらも正しいところがあるのだろう。一方は夢を語り、他方は現実を語る。さて話しを絞って、わたしの感想をのべる。ドイツは民主主義の国である。現行の制度は消費者の負担で自然エネルギー利用を推進してるようだ。それを受容するのなら、この政策は依然継続されるだろう。それはドイツ人がきめればよい。このレポートは2月に発表されドイツで注目された。現在のところ、明確な政策変更はきいていない。で、結論である。

原発は、安定供給の面からも、安全保障の面からも確保すべきである。ロシアがクリミヤを編入した。その時のメルケル首相の発言は、この事態に建設的に対応すべきだ、といったと記憶してる。ずいぶん宥和的だと思った。やっぱりエネルギーを依存してるからか。ところが現在のウクライナ情勢、マレーシア機撃墜による150名のオランダ人の犠牲に接して、宥和的ではいられないだろう。ロシアの野心を放置してはならない。原発の安全保障の機能を軽視すべきでない。
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